京極れなヒーローなのに理性が働いている

人の話を聞かない、取るものもとりあえず、突っ込んでから堂々と言い訳、そんな清々しいヒーローがこの著者の特徴だと思うのですが、今回は違います。
著者が言うとおり、これまでのヒーローの中でも随一の理性的な男で、なかなか突っ込みません。
一度突っ込めば該当シーンは長いので巻き返しはできていると思いま……す。
上記の軽佻浮薄ヒーローを期待していたもので、びっくりしましたがこれもありかな。
文章はとても美しく、読んでいてどこにもひっかかりません。
ただちに、たしぬけに、やにわに、という普段使わない表現が癖になるんです……。好き。
欲を言えば、もう少し、悪役を活躍させて退治もズバッとしてくれたら気持ちよかったなぁ。

しかし、それも込みで、おすすめいたします。