連地獄~白薔薇編~
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連地獄~白薔薇編~

伊藤レイヂ

ツッコミどころは多々あれど

ネタバレ
2018年12月26日
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大正時代、能楽師の父を愛する息子…と、設定はとてもいい。
父もすごく色気があってかっこいい。
が、かなりトーンがバラバラで戸惑った。
最初は重厚な重い話かと思ったら、わりと唐突に父も息子を想っていたと体の関係になりラブラブコメディモードに、そしてまたシリアスになり父が他界、その後はまた別のお話しみたいになって…と、あれ?あれ?の連続。
最後の「永遠に会えない」というところにはちょっとぐっときたけど、近親相かんのドロドロにお能が絡む感じの話でもう少し短めでもよかったかなと思った。

主人公の名前・麗司は、作者さんと同じ読みなところがちょっと意味深ですね。
複雑なキャラというかめちゃくちゃなキャラだけど魅力はあった。女物の着物を纏って父を見つめているかと思えば、父に対して攻のようになってみたり、父が亡くなってからは急に男っぽくなったり…不思議な子だった。
「えぇ??」と思いながらも何だかんだで読んでしまったのは彼の魅力のせいかも。。
ツッコミどころは多々あれど、なかなか切ないお話で堪能しました。
幸せな結末はないとは思っていたけど、ふわふわと愛だけに縋って生きていたような麗司が「生きてやる」とたくましく変わって。
これはこれで明るい終わり方だったのかな…と、感想を書いていて思えた。
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