このレビューはネタバレを含みます▼
まだ、ただの幼馴染に戻れるって思ってない?」という言葉が切ないです。「まだ」と一言書くだけで、恋人どうしのような関係になった時間経過が短時間だと感じ取れるし、幼馴染としての時間の長さがそのことにより強調されて、完全に恋人どうしと言い切れない現状に攻めの静かな憤りや切迫した胸中が映し出されているように感じました。男女関係なく一度恋人という括りから外れるとただの他人同士から関与してはいけない他人にならざる得ない。それもまた特別といえるのかもしれない。だから、受が追う「特別」への価値観が恋人どうしの別れという特殊性の方向に進まずに、しっかりと攻を受け止める方向へと完結してくれて本当に良かったです。心理描写のうまい作者の作品は読むとじんわりと心に広がりますね。読んで良かった(^^)