エルフェンリート
」のレビュー

エルフェンリート

岡本倫

ストーリーに注目

ネタバレ
2019年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ロボットにしても改造人間にしても、彼らがフィクションで扱われる時は、大抵が人の手で生み出されている。
が、ディクロニウスは単なる進化による自然発生で、しかも現在の人類より優れている。
これってシンプルながら、ドキッとさせられるリアリティだ。

研究で作り上げた~系は、あくまで人の手によって生み出されたもの。
必然的に「人より下に位置する生命体」だし、一般人には関係ない別世界の出来事になってしまう。
が、進化の過程の自然発生となるとだれしも他人事じゃいられない。
自分達だって旧人類を滅ぼして、かつそれを「我々の方が優れていたから」と無自覚に納得しているのだから。

ディクロニウスを受け入れず滅ぼそうとする&研究材料として利用しているとなると、いちいち敵味方を区分しなくても「正義はどっちか?」と考えさせられる。

殺戮を繰り返しているルーシーがメインヒロインに位置づけられ、不人気にならないのは、そういう前提があるからだと思う。
単に「辛い過去があったので人を殺すのは仕方ないです」だけでは説得力に欠けるが、
生存戦略としてライオンがシマウマを殺す事を責められる人はそういないであろう。
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