バラ色の聖戦
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バラ色の聖戦

こやまゆかり

気になりつつも

ネタバレ
2019年2月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビューを見て、数ヶ月読むか迷っていた作品でした。
どのキャラクターが最低とか、時折主人公すら非難されていて。
でもまとめ買い値引きもあり、思い切って購入したら、本当に一気読みしてしまい休日が1日潰れてしまいました。なんてこった。
でも買ってよかった、とても面白いし、結局自分に素直が一番なのよと再確認しました。
もちろんファッションモデルという題材を扱う以上、主人公のベースの良さありきではありますが、
決して「だからうまくいっただけでしょ」ということではないというのは、読めばわかります。
それぞれが自分の向き不向きがあり、みんなそれに悩みながらも努力し、周りとの軋轢に悩み苦しみながらも信念を通す覚悟をもって臨むということ。
人になんと言われようと、出来ることと出来ないことというものは、全員にある。
それにきちんと向き合い、受け入れ、心から嘘のない行動を起こしていくということが、自分の人生を生きるということ。
実際のところ、この物語にはその点で性悪で救いのない人間というのは出てきませんでした。本当に。
恐らく作者も、どのキャラクターへも愛情をもって向き合って描かれていますし、それぞれの抱える問題もきちんと表現されていますので、理不尽なまま消化不良、ということは自分はありませんでした。
本当によくここまで緻密に、人生というものの理不尽さと尊さ、人同士の付き合い方の難しさと素晴らしさを描かれたと思います。
結局は自己責任なんですよね。自分の今いる境遇をどう捉え、どう向き合うのかって。
周りのせいにしたところで、それで一体何が救われるのか。歪みを生むだけで、負のスパイラルが悪化するだけ。
不満を言うだけの人は、結局自分を不幸に導くだけ。
その環境を自分の持てる全てで打破しようとしているのか。
子供では難しいことも多いけれど、少なくとも大人は全て自分で現状を選びとっているということだな、と改めて思いました。
1人でも多くの人が、笑顔の時間が多い未来へ、自分の力で動き出せますように。
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