ローズの屋根裏部屋
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ローズの屋根裏部屋

ヘザー・アリソン/津谷さとみ

恋に恋する女性の妄想(猛走)

2019年2月7日
一目ぼれしたダンカンの面前に立つために装いを変えたローズ。ここまでは努力と認めようと思う。誰でもこのくらいは初歩。そのおかげか拾い物のおかげかダンカンに”天使”と言わしめたのだから成功だったはずなのに、事はとんでもない方向へ進んでいく。恋は盲目、というけれどまさしくローズは自分の足元に目をつぶってしまったのだ。これはフィクションコメディーであるから面白く読んでいられるが、現実ならば危険極まりない犯罪に発展してしまうかもしれない事象だ。騙し続けることを努力とは言わない。それを続けることはダンカンを真実の見えないバカな男扱いしている事に他ならない、ローズはそれがわかっていない。ローズの無知さが可愛げのある女として置き換わっているのには不快だ。しかしコミカルなテンポ、差し挟む勘違いによって吹き出し笑いが止まらない面白い作品であることには違いない。コメディータッチの一途なHQが読みたいのであればおすすめの作品である。
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