約束のネバーランド
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約束のネバーランド

白井カイウ/出水ぽすか

伝説の始まり

ネタバレ
2019年3月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今まで読んだ中で衝撃の一作だった。
タイトルの「ネバーランド」の通り、姑息な大人VS聡明な子どものイメージで正しい。本作は「鬼」に支配された世界から、子どもたちが人間の世界に脱出するというストーリーである。
しかし憎むべき最初の敵もまた、残酷な環境に組み込まれた被害者であったことが判明する。人間と鬼がはるか昔に交わした約束……「人間と鬼は互いに殺しあわない。鬼が食するための人間を鬼の世界に残す。」その約束のために、一部の人間(食用児)が無下に殺されてよいのか?真実を知った食用児の主人公らは、約束そのものを結び直させることを決意する。
脱出を試みるメンバーは、全員が全員有能なわけではない。外に連れていくという表現が正しいほどの年少が数多く、計画は何度も頓挫する。
しかしそれを問題とみなす主人公ではない。約束のネバーランドが週刊少年ジャンプに掲載されているだけあって、主人公(の一人)は情熱的・仲間想いな性格である。
この性格は多くのマンガに置いてときにわずらわしいが、この作品では違う。どんな絶望的な状況にあっても諦めず、具体性・計画性を持った提案を行うことにある。
問題に対し積極的に挑むが、無謀なことを決してしない、という点は、読む上で重要なことで、つまり物語がサクサク進むということだ。長い、くどいと思うことは一切なく、むしろ快感すら覚えるだろう。
2017年ごろから多く話題を呼び、最近はアニメの放送が開始された。このレビューが購入を迷っている人の決め手になればよいと願う。
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