愛なき富豪と夢見る花嫁
」のレビュー

愛なき富豪と夢見る花嫁

メラニー・ミルバーン/OH太

彼は私にふさわしい人よ問題は彼自身-ん?

ネタバレ
2019年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高い評価なので読んだが、私には良さが判らなかった。絵も話も共感し辛かった。
木で鼻を括ったような彼と熱い夜があった二人に見えない。表情が固すぎていつも同じようなスーツ。お屋敷のメイドさん達の服装もおかみさん風。ヒロインの母親もお友達もなぜ登場させたのか、役割不明。ストーリーに、噛んでこないのだ。
といって引っ掻き回しの役どころな訳でもない。
彼の母親も妹も、そして愛情無しの父親も、皆中途半端に話の筋に現れる。
人から貰ったアクセサリーを忘れっぽくて無くすかも、とは、彼には端金で買った物であっても、受け取った側の態度として失礼に感じるし、ましてや、いい争いの際にぶちまける、とは、頭に血が上ったとしても、くれた人の心に対して余りに不誠実。マスコミ云々も通り一辺。彼はこれまで女性とは一晩だけとのこと、ヒロイン賛美の言葉がないのに彼は終始彼女を構う。ワケわからないならそうと言う場が欲しい。妊婦として大切に接する一方で、海?綺麗な海水でもそれはないと思う。望まない妊娠であることは、彼だけでなくヒロインの冒頭からも明らかなのに、歓迎していない様子であることを一方的に責めるのも納得がいかない。
ヒロインの絵も平板で子どもっぽい言動と相俟って、本当に貴女ママになるの?、という気持ちになる。

ただただ、生まれてくる子がそれで育つのか、心配しかない。愛無しの結婚は嫌だ? わかるが、子どもにはどう説明するつもりだったのか。夢見すぎだ。邦題は皮肉を効かせてると見た。

三、四年間の結婚ということに、通常の結婚は無期限が前提のために、ヒロインがショックを受けるという場面があったが、子育てに責任感を持ち合わせないながら、老いて死ぬまで結婚継続を想定する人もいる。
アメリカで、ティーンエイジャーの望まぬ妊娠が社会的に問題視されていた三、四十年前などは、妊娠したら男が捨てた逃げたシラをきられたなどの物凄いケースが物凄い数に上っていたはずだ。
育てられる財力の有る無しでなく、子に向き合う精神が大事。最も大変なときに一緒にいて、その後も支援を続けるという姿勢は、結婚に完全主義のヒロインだけが受け入れがたいのだろう。ひとときだけの関係で済ますところだったのだから、ヒロインは同罪に近い。寧ろ彼が妊娠を知らずに訪問してきたのに、なんて言い種、という気がしないでもない、というのが私の偽らざる感想なのである。
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