天然あるみにゅーむ!
」のレビュー

天然あるみにゅーむ!

こむそう

「生きる」ということ。

ネタバレ
2019年4月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 若くして亡くなられた こむそう先生のデビュー作にして遺作です。
ど田舎の可愛らしい女子高生たちが四コマ狭しとドタバタする非常に楽しい作品となっていますが、特筆すべきは、田舎の原風景を描くにあたり、農業や畜産業に絡めて話を描かれている点です。
田植えや山菜採りに限らず、飼育していたシャモを食べる話、畑を襲った猪を返り討ちにして鍋にする話等、普通は萌え四コマには向かない重めのネタが至極あっけらかんと描かれています。
悲しむべきことに、こむそう先生の逝去により未完となってしまいましたが、予定されていた最終回のプロットは、飼い牛の松五郎さんの出産であったそうです。
デビュー作とは思えないほど完成された絵柄とお話を楽しみながら、背景にちょくちょく描かれる生命の重みについてわずかでも想いを馳せるならば、それが こむそう先生への何よりの餞となるのではないでしょうか。
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