このレビューはネタバレを含みます▼
極端な何かが起きるわけでもなく、目で追ってしまっていた教師にどんどん惹かれて行って、恋心を意識するようになった高校生の受けの、学校生活とその中での教師に対する思慕の変化を丁寧に描いている作品。
丁寧と言っても、真面目に重く……と言うことではなく、ポップで可愛い男の子たちの様子や女子高生とのすったもんだという感じです。
もともとこの作者の作品が好きなので、私には大好物でした。
欲目なしで☆の数を考えるなら、3.8~4.2かな。
受けの高校生が素直で良い子なのがとても好ましいです。
ひねくれていないというか……。可愛い。人として愛されるだろうなぁ~という感じ。優等生タイプということではなくて、素直に真っ直ぐに人と接する男の子。
先生も、その素直さを可愛く思っている様子で、大切に想うがために、教師として接しようと頑張っている物語でした。
受けの素直に慕って来る姿に絆された……というのが見ていてわかる気がしました。
大きなアクシデントや、両想いになる決定打のような何かが起こるわけではなく、静かに一生懸命少年らしく大人の男に恋をする受けの言動が、本人無自覚のまま攻めを落としていったように感じました。それがまた可愛い。
難を言えば、ラブ解禁になった二人のイチャイチャの日常をもう少し見たかったなぁ~と。
この作者の書く受けって可愛い子が多いですが、今回は本当に好みでした。
教師と生徒の設定って、好きなような嫌いなような、微妙な位置づけなので、個人的には積極的に選ばないのですが、この作者の作品は読みたくて、「失敗するかなぁ~」とかなり警戒して購入しました。その結果、この作者の作品の中で歴代一位と思えるほどの好みでした。
派手さはないですが、学校生活と一緒に想いが流れて卒業していくまでの、キラキラした時間を過ごさせてもらえるような作品です。