このレビューはネタバレを含みます▼
作中の「ここは店自体が甘味みたいなものですからね」という台詞を引用するなら「この作品自体が甘味みたいなもの」だと思います。
忙しない日常の中で気持ちがすり減り、余裕が無くなりかけたときは、必ずこの作品を読み返しています。
読み返す度、作品の雰囲気に促されるよう、身体中に甘味や美味しい料理のエネルギーが行き渡るよう、優しく穏やかな気持ちになります。
そうしたら辺りの季節に目を向けたり、ゆっくり珈琲を淹れたり料理をしたり。在り来たりだけど大切な日常を取り戻していく気がするのです。それを思い出させてくれる、大事な大事な作品です。