過去への扉
」のレビュー

過去への扉

エマ・ダーシー/大沢まき

ム~。色々と腑に落ちない。

ネタバレ
2019年4月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 物語が進行していく中で核心をよけて進んでいるので気持ちが悪い。主人公レブルをヒューのガールフレンドのラムレイが「孤児」と辱めたことにヒューはレブルに謝罪していない。これはヒューとラムレイは同じ意見であることの証明。レブルの味方をしてくれたわけではないことが分かるのに、レブルには分かっていないようだ。この女性は鈍感。頭の回転がよく姪のセレストを上手くコントロールできる女性にしたそうだが、それが出来ていない。また、伯爵であるヒューにもレブルに心惹かれていく様や、セレストを理解するよう努めるという決意などの様が全く皆無。また、レブルの母が子供のころ邸に滞在していた記録をヒューが見つけた時に、以前にも歴史学者が同じことをしたというのだが、どの部分が同じなのか分からない。その話のすぐ後でレブルに邸から出ていけと言っているということは、歴史学者と彼女に血縁関係があることを この時点でヒューは知らなかったということ。なのにその後、学者に連絡をっとたというが、その理由は何なのか?なぜ連絡を取らねばならなかったのかわからないまま。レブルがスコットランド王家の直系の孫であることが発覚してからヒューの態度が変わる。展開がまずい。セレストへの態度を改めるべきというレブルの助言の後ではあるが、初頭にも書いた通りヒューの感情の変化が書かれていないために、まるでレブルの出自が貴族であることで彼女を受け入れたような印象になってしまって憤慨する。「家系なんて気にする相手にしか意味のないものさ」とヒューがレブルを慰めているが、それはあんただろ!どこがロマンスやねんっと突っ込みたくなった。その後の展開もレブルが祖父との対面をためらうシーンはあるがそれだけで、祖父の事はそっちのけ。タイトル「過去への扉」なのだから、ここはレブルの出自とヒューの過去との摺り合わせから、セレストを含めた二人の未来への希望を描くべきであろうと思うのだ。
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