よく創り上げたなぁと、思う。





その代わり、7巻物と思っていたのに実質14冊のボリューム。思ったより長編だった。
長く高い評価を受けていることから、関心高く、やっと読めた。評判通り面白かった。異世界で出会った人を好きになるファンタジー。
先の読めない話を産み出す力のある人だけが、漫画を面白くできる。その脳内構想を描写する画力とセンスに脱帽。戦いの場面にはスピードと迫力がある。
うまく事は運ぶのか?大変なときは、どう立ち向かうのか。何が起こり、どう変わるのか。絵は時々時間不足だったかと思わせる箇所もあるが、話のスケール感でカバー。
ダークな描写多目だが第5巻だけ和らぐ。
戦いの場面、7巻目はタッチに荒れ有り。まとめに入ってからは説教臭。それに終盤急に、主人公典子の元居た世界を無理に描くようになって(考えてみれば『black bird』も。編集サンの横やり?)、話の小気味良さが減った。長編は本当に結末が難しい。
それでも人物画の生硬な線は無くなって行き、安心感が生じた。若い男性の描き分けは大変みたいだが、衣装や髪型をもう少し変えて欲しかった。西大陸、東大陸、化け物に能力者などなどの多様性が絵に反映されてない。
異世界へ飛ばされる、みたいな趣向は「天(そら)は赤い河のほとり」をすぐ思い出してしまう。あちらは作者はそのつもりなかったのに、編集の意向で、普通の女子高生が飛ばされた話となったという。こちらは、飛ばされて戻れずとも最後限定的には交信可能となるのだから対照的だ。
いずれも、そして「アシガール」も、当人その世界に行ったきりの覚悟。それが「出会ってしまった」、ということなのだから、納得だし物語性上がる。
愛を選ぶのは私好みの結末だ。
長編はただのラブストーリーでは飽きる。
ストーリーが面白かったのが何よりだ。
黒髪でイザークと来ると、咄嗟に連想するのは「オルフェウスの窓」。顔違うが、これを読むまでイザークとはあっちの事だった。
あと、異形の姿を晒してしまうところ、「フルーツバスケット」の草摩夾とどうも被る。でもフルバの夾の方が後で、イザークの方が先に世に出てるんだなぁ。あっちは題材がザ・日本アニメのイメージに丁度はまったから、世界にウケてラッキーだったのか。
そうそう確かにナウシカとラピュタみたいなとこもある。

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