このレビューはネタバレを含みます▼
登場人物それぞれの話の中で関係していくひばり。出てくる人全員自分は悪くないと思い生きている。ひばりだけは自分が悪いと思い毎日を耐え抜いて生きていた。「女」を持って生まれた自分が悪い…?
みんながそれぞれ自分の話を生きている中で何気なく言ったこと、した事…知らない間に誰かを追い詰めているかもしれない事。一人一人の小さな自己中な行為が大きくなり、その皺寄せでこの世の誰かが飛び立ってしまったかもしれない事…。心にズーンと残ります。
私はどちらかというと富子のような人間であり、自分の容姿にコンプレックスをもちこの作品の登場人物同様ひばりのような容姿の人間を毛嫌いしていました。
「女」を武器にし生きている人だっている。でもひばりのような子だっている。まずこうやって線引きしてしまう事がおかしいのかもしれないけど…とにかく今までの凝り固まった考え方はガラガラと崩れました。
あとがきの作者さんの「怒り」が全てを締めくくっていて、心に泥のような真っ黒く重いものがずっと残る…そんな作品でした。
ひばりはどこへ飛びたったのでしょうか…どうかどこかで毎日朝を告げてくれていたらいいなと思います。