堕ちる
」のレビュー

堕ちる

菊池直恵

テーマは奥が深いけれど

ネタバレ
2019年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごく興味深いテーマなので、もっと掘り下げて描いてほしいなぁ…と思いました。
1巻の総ページが少ないうえに3巻で完結なので、掘り下げるにはページが足りなかったのかもしれませんが。
書いてらっしゃる方が多くて重複してしまいますが実際の事件と似ていますね。
昼はエリートOL、夜はなぜかホテル街で客を取る日々。そして父親への、崇拝とも思える闇の深い愛情。
お金に困っているわけではなかった彼女がなぜその生活を求めたのか。昼間の顔を保つためには夜の生活が必要不可欠だったのでしょうか。
父親に似た男性を探し回り、お金なんて要らないけどお金を貰わないと相手にしてもらえないから、お金を貰って父親との生活を反芻してパワーチャージする日々。
父親がそもそもヤバイんですけど、彼女も彼女でお父さん大好き!っていうのが歪んだ方向に転がってしまい、違う意味での好きに転じてしまうし、母親は母親で、父娘に復讐するかのように不倫しているし…。
破綻した家庭(でも意外と外からはものすごーくマトモな家庭に見える)。
家族という閉鎖された関係の中の歪み。
もう少し長く、深く描いてくれたらなぁと思いました。
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