キミに言えないことがある
」のレビュー

キミに言えないことがある

もふもふ枝子

愛する人に「正しい」「幸せ」を

ネタバレ
2019年5月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 広告デザイナー・恭介×幼馴染みの佳純の長い長い両片想い。試し読みで佳純の不倫設定が苦手…と思いつつも購入。買ってよかった。厳格な父に育てられ、「正しく」生きることを刷り込まれている恭介と、親の望む自分でいられず、受け入れてくれた恭介を好きになった佳純。なにが正しくてなにが幸せなのか、考えさせられます。「これが正しいんだ」と自分に言い聞かせて、窮屈で歪んだ思考から抜け出せない二人が見ていて辛い。恭介の物事に全力で取り組む姿勢は父から学んだものだろうし、それで結果がついてきているから父の正しさを基準にしてしまう気持ちも分からないでもない。煮詰まった恭介の世界に風穴を開けてくれた上司の清水さんが本当にいい人!あんな人の下で働きたい。何度も間違えたけど、最後は一番大切なものを掴んだ二人に拍手。「俺がお前を不幸にしたい」には痺れたけど、やっぱり愛し合う二人には幸せな笑顔が似合うなあ。
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