幸せのほろ酔い気分に





2019年5月18日
タイトルにある林檎の香りのように、甘く爽やかなか作品です。挿絵にまずドキドキ、ストーリーに心がザワザワしました。天然で前向きな帰国子女の睦樹が、仕事先の酒蔵で無愛想な秋作に一目惚れをして話が展開していきます。心の動きが丁寧に描かれていて、度々挫けながらも自分の気持ちに素直にぶつかっていく睦樹の姿は可愛らしくもあり、格好良くもあり、読んでいていっぱい元気をくれます。過去の恋愛で心に壁を作ってしまった秋作の変化、頑固な蔵元のおじいちゃん、周囲の人々がまた設定がきっちり描かれていて、それぞれが魅力的です。酒蔵の香りまで漂ってくるような作品は心地良く、ほろ酔い幸せ気分に浸れます。

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slen さん
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