灰の月
」のレビュー

灰の月

木原音瀬/梨とりこ

重くて痛すぎる神作品です

ネタバレ
2019年5月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 既に上下巻読み終えていますが、間違いなく神評価です。ですが、なんて痛いのか…。本当に覚悟して読むべき作品です。この終わりかたがハッピーエンドだとしたら、なぜ読後、ずっとこんなにうちひしがれて辛く苦しい思いが抜けないのか…。まさに、木原さん流の着地点です。月に笑うでは本当に冷血で嫌なヤツだったあの惣一さんは、なんて健気で一途で儚くて悲しい不憫な人なのかと見方がガラリと変わりました。特に下巻ではこれでもかと事件が起こり、息つく暇を与えません。危機を脱して安堵しているとまた落とされるといった感じで、最後はもう奈落の底、まさに地獄です。え、ここまでする?と痛くて辛くて。本当に、数日間ただただ心が重く痛かったです。そしてとにかく、惣一さんの健気さと一途さが泣けて泣けて仕方ない作品でした。
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