執着と犬
」のレビュー

執着と犬

梢子

感情移入できるはずもなく……

ネタバレ
2019年6月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵は嫌いじゃないんですが、受けにも攻めにも感情移入できないストーリーでした。
あれだけの過去を設定しておいて、あの内容で救われるとは到底思えないのですが、受けは救われたと感じるようです。「なんで?」としか思えません。
遠い昔から好意を寄せていた相手が集団でレ〇プされているのに助けもせず、100歩譲ってそれが無理だとしても、大学で再開して恋愛対象になりたいなら、受けのトラウマを考慮してもっと気遣いを見せてもよさそうな物を、嫌な事を思い出させ、それを脅しにして……というのが理解不能。
結局、変質者並みの執着や容赦ない襲い方をさせたかったのか、優しく傷をいやす存在にしたかったのか……。中途半端だから、感情移入できるはずも無く。
受けもまた、トラウマのように忘れたい記憶として認識しているのに、無理やりされるのが癖になっているような表現もあって、「どっちなの?」と……。
昔イジメに加担してしまったけれど、実は好きだったから今度は守りたい……と頑張るとか、イジメのつもりで体に触れたけれど忘れられなくなっちゃって、もう一度無理やりにでも奪いたい……と病み路線を行くとか、もう少し、明確にした方が良いのだろうと思います。
折角絵は綺麗なのだから、ややこしくないシンプルな恋愛から書かれてはいかがかな?と思ってしまいました。尤も、病んだ関係のカップル等、お題のように設定が決まっている状態で描かれた作品なのかもしれませんが……。
読み放題で読んだので「残念」で済みますが、支払っていたら、大暴れして悔しがるくらいに、好みじゃなかったです。
でも、何度も言いますが、作画は好みだったので作者さんの他の作品に期待します!
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