不思議な余韻





2019年6月12日
人の頼みを断らない大学生・横井×軽妙な関西弁の男・佐久間。悪魔のような羽根と尻尾を持つ佐久間に誘われて以来、横井は彼を忘れられなくなる。やがて始まる世間から隔離されたような二人だけの自堕落な生活。薄暗くておどろおどろしい雰囲気で、いつかとり殺されてしまいそう…と思っていたら、なんだか様子が違う。総じて「魔が差した」ということなのかな。正直すべてを理解できたとは言えないけど、先が気になってぐいぐい読めました。夢から醒めたような、不思議な余韻の残る作品。これで読後感が悪くないのがすごい。他に田舎町で出会った若手俳優×元AV監督の短編もあり。こちらもじめっとした独特の世界観だけどラストは優しい。本来の姿はさすがにグロそうなのでちらっとでよかった。

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