コオリオニ
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コオリオニ

梶本レイカ

生きたいように生きること

2019年6月12日
実際にあったある事件をモチーフにして、濃密なBLを組み込んだ大作。銃器対策室の実績作りに奔走する刑事・鬼戸×ヤクザ組織の幹部・八敷。警察とヤクザ、それぞれの世界で泥にまみれ、翻弄され蹂躙されながら成り上がっていく二人の物語。かなり残虐で暴力的で、猟奇的とも言える描写も多々あるので、苦手な方は要注意。あまりに重すぎて、感想も星をつけるのも難しい。私の中に彼らを語れる言葉がありません。これを描き切った作者さんはすごい。この出来事がほぼ実話とは…警察と裏社会は表裏一体、私の想像も及ばない世界があるんだな、とぼんやり分かった程度ですが、ただただ怖かった。犯罪者という言葉で括るのは生温いほどの二人ではあるけど、最大限に幸せなラストだと思いたい。変わらぬ平凡な日々をありがたく思えるような作品でした。
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