このレビューはネタバレを含みます▼
18世紀イタリア、少年の声を保つよう去勢された歌手、カストラート達の3つの恋のお話。こういう人達がいたとは知りませんでした。カストラートになっても誰もが成功するわけではもちろんなく、メインの彼らだけでなくその周りの少年達の運命もまた時に過酷。切なさもあるけど、面白かったです。ストーリー重視でHはなし。
「カストラート」
神に愛された声を持つ美しいカストラート・アルフレドと、作曲を学ぶ音楽院生・エミリオ。アルフレドに憧れ、何度ダメ出しをされてもアルフレドのために曲を作り続けるエミリオ。確かに恋だけど、明確な関係を持つことはなかった二人。アルフレドはずっとあのアリアを抱き締めていたんだろうな。美しいけど切ない恋。
「天使の鳥籠」
カストラート同士の天才同士、上級生のミケランジェロと下級生のルチアーノ。ルチアーノの無垢な残酷さがちょっと怖い。薄氷の上にいるような関係…なのかな。ミケランジェロがずっと歌い続けられますように。
「レオの結婚」
心優しい領主のカルロと、カルロの妻の愛人・カストラートのレオ。この二人が一番普通の恋愛っぽい。最後に相応しい優しいお話。この二人の描き下ろしも見たかったな。