その男、アイドルにつき
」のレビュー

その男、アイドルにつき

松崎夏未

依存的な親愛

ネタバレ
2019年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ BL読みたくて買ったけれど、恋愛はしてない2人でした。母親からの愛情に飢えた子役がマネージャーのオジサンになついて、彼を喜ばせようと執着を深めながら成長していく様を記録した物語です。ノンフィクションのノーカットフィルムを眺めているような気だるさがあり、正直、面白いところはあるけれどその他の情報が多くて読んでいて苦しかったし、疲れてしまった。マネージャーのオジサンの方は、依存されている事に気付いていたけれど、それが「好き」という形に相手のなかで変わっていっているのを知っても非常に淡白で、まるで動物園の飼育員が種族の違う生き物からのアプローチを受けて、種としては求愛を受け取れないことを知っているみたいな淡白さだった。愛情はあっても、恋情はない。子役からアイドルへと成長していく彼に対し、唯一無二のパートナーとしての役割を求めていなくて、家族のような親愛しかなかった。そんな2人の関係性は、暖かいけれど、けして恋ではない。ボーイズラブではなかった。総評としては、ボーイズラブとして読んだら、なんか違った。ボーイズラブが読みたい気分なんだよ~~~!ってひとには向かない作品でした。
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