恋のツキ
」のレビュー

恋のツキ

新田章

6巻までが高評価だったからこそ

2019年7月5日
最終巻にはがっかりしました。
高校生と三十路という設定の漫画は数多くあるなかで、新田さんの漫画は気味が悪いほどリアリズムがあるところに惹かれていました。
(これが男性漫画家の描くJKとおっさんだったりすると、アダルトシーンがなかろうとその漫画家の萌えやら欲望やらが滲みすぎてて見てられなかったりします)
浮気の前科ありなのに自覚なくフラフラしてる主人公も、ナチュラルに主人公を見下してる元カレも、他の登場人物も
それぞれに自己中心的で読む側をイラつかせてくれるし
話の流れも共感と意外とを行ったり来たりして飽きさせずに進んでくれていたのに
最後の最後がそれ?という感じでした。
別にあの終着点がナイという話ではなく、終わらせ方というものがあるだろうと思います。
散々選ばれない人生に対する不満と諦念とを丁寧に取り上げていたのに最後には簡単にアノ人と付き合って「今が良ければいいんだ☆」という終わり方、驚いたというか……呆気に取られました。
もっとそこの感情をしっかり描いてほしかった。ここまで広げた風呂敷はなんだったのという感じです。
いいねしたユーザ13人
レビューをシェアしよう!