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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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最高でした(過去形)2023年9月21日キャラ設定は最高、絵もしっかりしてる、ギャグもキレてて展開もじりじりするところと一気に距離がつまるところ、緩急あって尊いな~!!!というのが、最初の評価でした。
「ハイスペ陰キャ」「生真面目な俺様キャラ」「小柄カワイイ強気受け」というバランスがよかったのに、3巻の途中からちょっと雲行き怪しくなり、新刊はあーやっぱりこの展開になったかというガッカリ感でいっぱいです。このマネージャーを出したい(=瀬賀とカップルを組ませたい)がために鯛代くんのお姉さんを出してきたんだろうなと傍目にもわかりました。初めからちょこちょこ出してフラグ立ててなかったところを見ると、思い付きで描いたようにしか思えなくて残念です。数年前から構想していたと言われても、読者にとってはポッと出のキャラなわけで…。いきなり主要メンバーみたいな顔されて戸惑うばかりだし、作者さん的には鯛蛯よりめーサムの方が描くの楽しいんだろうな…と思えるくらいの気合いの入りよう。それがダメとかじゃなくて、数巻しか出ていない作品の、まだくっついていないメインカプ差し置いてこれだけページとってやることではなくないですか?心より先に体が繋がっちゃって…みたいなカップルだとしても、それはタイトルカップルより優遇されることですか??
大多数の読者は「よくあるイケメン同士の大人BL」ではなくて、ヤマダさんの描く『怖い顔で誤解されやすいけど本当は一途で可愛い鯛代くん』と『そんな鯛代くんに少しずつほだされながらも素直になれない蛯原』の「じりじり、もだもだ、イチャイチャ」が読みたくて購入するのだと思います。
大人の余裕&色気たっぷりなマネージャーと完璧主義な美形大学生モデルのなんだか刹那的でオシャレな芸能界BLがやりたかったならスピンオフでやればよかったのに。このあと瀬賀はどんな顔でカスミちゃんとやり合うの? -
見える…見えるぞ…2023年8月26日2巻まで読んだのですがダメでした。BLは嫌いじゃない…というか好きなのですが、出てくる皆々が登場早々にサ~ッとBLに巻き込まれていくので笑っちゃいます。ジャッジを例に出すと、品物売ったり鑑定したりの数ページにしか出ない→「護衛として来てほしい!リゼルさんたちが…いい…🖤」ってなんでやねん!!!みたいな。
こういう匂い系に近い作風は小説だと地の文の言葉を尽くして表現しやすいのですが、漫画にとっては苦手な空気感なんですよね。
このあともちょっと新キャラを見るたびに「作画に力入ってるな。この人も急に何やらイイ雰囲気になって意味ありげなコマ割りに処されるんだろうな」って想像がつきそうで離脱しました。主人公の仕えてた王ってのもきっとさぞ執着心の強いスパダリ系なんだろうな…みたいなのが目に浮かぶので。 -
大筋は面白いんだけど…2023年4月3日絵柄は割と好きです。瞳だけなんでこんな下書きか?ってレベルで薄らボンヤリ描くのかわかりませんが……
ヒロインについては、庶民になると決めて丸一年あってやったことが料理と生活+身体強化魔法で、いざ庶民の家にいったら「魔石はないの?」って、もうちょっと注力するべきことあったよねとツッコミたくなります。特に、丁寧に薪オーブンの使い方を説明されて「……魔法でやろ!」ってなったり、お風呂がないのを「えー、他のみんなも食器も部屋もクリーン魔法できれいにしよ!」になったり、カルチャーショックというより見下してる感がちょっと鼻につきます。馴染もうというより、生活のチート魔法で楽に暮らせる方を選んでる感じ。これならチェンジリングのことなんか忘れて案外生まれつきの庶民として楽しくやっていけるのでは? -
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絵もストーリーも2021年5月5日詰めが甘いというか、雑な印象を受けました。
冒頭に主人公が「チートでご都合主義な世界の乙女ゲーム」を「ヌルすぎて飽きた」と言うシーンがありますが、なんのなんの。こちらもしっかりとチートでご都合主義な世界観の漫画です(笑)。立ち読みは面白そうだったのに、癒しの魔術といいつつ攻撃にも転じるチート魔法を持つ主人公、魔力の高い隷属魔獣、万能で進行的にも便利そうな神父、恐らく出自がいいのであろうイケメン、と1巻で揃ってしまいました。
内容自体もストーリーは堅実というか手堅い面白さがあるのに、ギャグにしなくてもいいところまでギャグにするので読んでいてうんざりしてきます。原作がそうなのか、作画の段階でそうなったのかは分かりませんが、もうちょっと丁寧に作って欲しいです。
絵は、若い主人公やイケメンは綺麗ですがそれ以外は微妙かな。特に神父は、人を描いてヒゲとシワと傷痕を足しただけ。髪も手も若者のそれです。こういうところの書き分けがうまいと入り込めるのですが…。背景はたまに変なパースもありますが、安直にトーンに逃げず誤魔化さずに描いてあっていいと思います。新刊は悩む。 -
期待していた分ガッカリ2021年5月5日汚部屋&毒親育ちの女の子が東大生になりやがて自立するまでを描いた自伝的な漫画です。が、いかんせん内容が薄すぎ。1巻660円で130ページという強気な値段設定ですが、絵もストーリーも1320円分の内容ではないです。受験勉強も「空調設備のない家で、丸めた布団を机がわりにやってました」以外のことは何も書いてないし、大学生活もさらっとだし。どう逆境をはねのけて(あるいは親に支配されて)受験競争を戦ったのか、そこにどんなマインドがあったのかは一切触れていなくてがっかりしました。このタイトルで東大ならではのエピソードが描かれてないのはちょっと卑怯な印象です。「汚部屋そだちの東大生」ではなく、例えば「汚部屋そだちの大学生」というタイトルでもまったく問題ないですね。
それから、調べたら作者のハミ山さんは毒親育ちであることを取材などで公表されていますが、高校卒業→東京藝大中退→東大卒業という華々しい経歴とのこと。藝大を辞めたのも「生物学をモチーフにした作品を作りたいと思い、東大で学ぼうと思ったから」という能動的な理由からだったようですし、東大時代も「漁船や狩猟や野宿」だったりとそこそこ自由に楽しんでいたようです。もちろん「自伝漫画です」と謳っているわけではないので問題ないのですが、この作品の「ゆうちゃん」から受ける印象とは大分違うように思えました。(もちろん、ご本人が家庭環境にめげず努力したことを否定するわけではまったくなく。)
少し脱線してしまいましたが、やはりタイトルから連想される内容ではなかったことが期待外れでした。 -
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大人のための少女漫画2021年4月15日大好きだった少女漫画の主人公の年齢を、いつの間にか大きく追い越してしまった(私含め)みなさんへ【朗報】です。この漫画、ちゃんと「アラサー用の少女漫画」です。
年齢を重ねてライフステージが変わったからって「ドロドロした人間関係」「妙に現実感のない展開」「何かといえばすぐ性的なシーン」の漫画ばかりが読みたいわけじゃない、そんな人にオススメです。なんたって、絵柄や設定はちゃんと大人仕様ですが「態度の悪いアイツを気付いたら好きになってた」という王道の少女漫画ですから。
隔月連載だからこその作画とストーリーの完成度だとは重々わかっていても、とにかく続きが読みたくてうずうずします。これは働くアラサー女性みんなに刺さるはず。働けば働くほど仕事を押し付けられる。それをこなすので手一杯で、身綺麗にはできても部屋まではとても手が回らない。とてもじゃないけど彼氏なんて構ってられない…分かりすぎて読むのに辛ささえ覚えましたが、その分、深川くんとのコンビの「何とかなる」感がいいですね。
私は「仕事もバリバリ」「容姿もバッチリ」「性格も◎」という隙のないキャラがあまり好みではないのですが、あいなは嫌みがなくて純粋に応援したくなる。はやくくっついてほしいけど、あいなの右往左往・試行錯誤ぶりをずっと見ていたいような漫画です。 -
商業作家の上澄みをさらったような作品2021年3月20日評価はよかったけど個人的には読み返さないだろうな、という感想でした。pixiv発ということは当初は刊行のつもりもなく好き勝手に描き始めたものだろうし、もともと商業化するにはいろいろと"弱い"作品だったかな…。主人公も他キャラもトラウマエピソードが「えっそんなので?」って感じだし、主人公はすぐ懐柔されてすぐ自分の恋心に気づいてすぐイチャイチャラブラブ路線だし。もっと一触即発な強気受けが見たかった。背景描写ではなく、モノローグで直接的に心理を語っているところが多いのも稚拙な印象。内容も、二人が早い段階でくっついたあとは「学園祭でコスプレ」「二人してロッカーに隠れる」「みんなで来てるお祭りを抜け出す」とか一通り描きたいことを描いてるというだけで、二人の関係のために描く必要性みたいなものを感じるシーンはあまりなかったかな。あとは「当て馬と主人公の少女漫画のような絡み」と「やたら迅速に事情を理解して恋路を応援してくれる女友達」も含めてどこかで読んだ設定やシチュエーションでページを埋めてる感じです。画風も、パッと見はきれいだけどよくみると違和感ある、みたいなコマが少なくない。
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萩原ケイクに外れなし2021年2月28日こちらも木更津くんも続きが気になってたまらない。とくにこちらはシーンの切り替えや決めシーンの演出なんかも含めて好き。小物や背景による心理描写がうまい。
内容としてはレスにありがちなモヤモヤしてる間に若い男が気になってという感じだけど、この若い男=真山くんが現代的な考え方と反倫理な感情に挟まれて葛藤していてとにかくかわいい。ゲームにかこつけて連絡してくるのがキュンキュンする。真山に惹かれるけどなんとか軌道修正を図ろうともがく主人公は倫理観がしっかりしていて好感持てるけど、どう考えても真山の方がいいと思うよ…。薄給でも、働く意欲が薄くてもいいじゃない。子どもが欲しいと望む妻を35にさせといて「何も考えてない訳じゃないよ」「目先のことしか考えてなくて悪いか」なんて言える夫なんかよりよほどいい。脇が甘くてキスされるわ、女と出掛けてその子どもを肩車するわなんて男は、悪意がなかろうが浮気としては有罪でいいんじゃないの。
この漫画は、すったもんだして結局夫婦の絆が深まりました~的なあるあるな結末にならないで欲しい。こんなに感情移入できて、応援できるカップルもそうないと思う。真山くんがんばって… -
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話はそこそこ面白い2021年2月11日ローズベルタンと言えば、18世紀フランス宮廷が好きな人なら知っていても、一般の人には聞き馴染みがない程度の知名度。初話、脳内で「お姫様とか(笑)」「あんたみたいなのがいるから女は男になめられる」とララをこき下ろしたシーンはもやっとしたけど、とりあえずそこ以外で誰かを馬鹿にしてベルタンの性格を表現する演出はなかったのでほっとした。ベルタンは当時の価値観に逆行して生きたところがイイのであって、それを現代の価値観に当てはめて代弁させるのは違うと思うので。
いいところとして、こういう題材の漫画って登場人物の一人に思い入れが強すぎていわゆるメアリースーになってしまうが、この漫画はそこのバランスがうまい。そこまで史実と乖離してないし、その中で創作としての華やかさがある。台詞にやたら仏語読みを当てるのは、電子書籍で読む層にとってはうっとうしいけど、まあそんなものかな。
ただ後書きがちょっと、、、絵描きの矜持!!みたいなアピールが強くて臭い。 -
チョロインすぎません?2021年2月1日立ち読みがよかったので買ったのですが、がっかりです。煤けた顔のまま給仕する場面も謎でしたが、一番謎だったのは名乗られただけで赤面する場面。チョロすぎてこちらが赤面しそうでした。恋愛に興味ない、農作業第一のヒロインというわけではなく、恋愛沙汰に縁のなかったおぼこい女の子というだけでした。王子もチョロいですね(笑)もっと、恋になるかならないか的なやり取りしないのでしょうか。1巻ですでにお妃になりそうな雰囲気でした。31人という数字が機能しませんよね。1回の訪問でそこまでいい雰囲気になっちゃうなら、ライバルはそんな大勢じゃなくて十分なのでは。
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2巻までは結構よかった2021年1月31日もちろん「子供が絵本数冊ごときでそんな簡単に情緒豊かに育ってたまるかーい」とか、「野坊主に育てられた年頃の女の子が、体毛もなくスタイルもよく性格も素直で愛らしく可愛く育つかーい」とかいろいろと感想もありますが、それは野暮ってものですかね…(笑)
絵も設定もおもしろいし、2巻まではよかったのですが3巻は少し雲行きが怪しいかな。赤子だったヒロインが年頃に成長する過程もかなり省いて見せているのに、妊娠出産したらまた「あれから○年後~」で今度はいい年になって出てくるのは、うーん…。若くて可愛いときだけ(特に性的なシーンを)詳しく描写して、それ以外は飛ばしている感が強いです。人間を繁殖させるってテーマを考えると、すぐまた若くて可愛い女の子出てくるんでしょ?で、また○年後とかの展開になる可能性もあることを考えると、あまり登場人物好きになるのやめとことか、あまり没入するのはやめとことか思いますね。だってすぐ年取りそうだし、○年の間にシチュエーションが変わりそうだもの。まあ主人公が思い描く理想郷は果てしなく先なので、そんなチマチマ書いてるわけにはいかないってのも分かりますけど、書いたと思ったらすっ飛ばし、また書いたと思ったらすっ飛ばし…では落ち着いて読めません。 -
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6話で終わったら最高だった2021年1月17日コミカライズなので言っても仕方ないのですが、この内容なら6話で終わったらよかったのにって感じです。それ以降はずっとウダウダしてる相手をモヤモヤしながら待つ主人公って構図が続くのみ。原作を読んでいないのですが、漫画は足踏み感があるし冗長でした。加えて漫画では、主人公の本当の姿を知ったあとの廣末さんがやたらと上から目線で、仕事の出来ないキャラなのに高圧的なのが鼻につきます。多分コミカライズするにあたってなにか重要なファクターを削ってしまっているのだと思います。絵柄は立ち絵は爽やかですが、動きがあったり角度がついたりする絵は不自然です。あと単純にこの絵柄にヒゲ眼鏡が合わないので最後まで違和感が…
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内容は王道2021年1月17日「よくある設定(パッと見完璧な美男美女だが実は処女・童貞)」と「よくある展開(相手の初恋の人が恋のライバル、なのに恋が成就したらライバルはキャラ変して味方になる)(主人公は横恋慕してきた男性と付き合うが、結局その人は主人公のために自分から身を引いてくれる)」の、あるあるばかりの漫画です。が、なんせ凛子がかわいい。主人公がバリキャリの漫画は、何か上手くいかないことがあってもすぐ強がって可愛げがなくてつまらないのですが、凛子は素直に「いい彼女と思われたかった」と口にするし、すぐ右往左往するところが好感持てます。内容としては本当にお馴染みの少女漫画なのできりよく3巻まででいいかな、といった感じです。
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匂い系とかブロマンスとか2021年1月11日そういう系統の漫画です。それが嫌というわけではないのですが、それにしたって毎話そういう感じになるし、ポーズやらアングルやら狙いすぎだしで少し鬱陶しいですね…。画風がいかにもBL作家なのでなおさら。もう少しその手のシーンを絞った方が、よほど印象深いものになったと思います。内容については高評価に押されて3巻まで購入してみたのですが、あまりにも主人公の外側で話が進みすぎているので、完結するまで購入はやめておきます。読者を置き去りにしてもあとでカタルシスが味わえる漫画もあるのですが、それを考慮しても現時点での説明不足感が拭えず。それがヤマシタトモコさんの作風であるといえばそうなんですが。
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ネタ枯れしない舞台設定の妙2021年1月5日有名なバンドのとある曲に、「命が終わる要素は数えきれないほどあるが、命が始まるきっかけはひとつしかない」という旨の歌詞があるのですが、それを思い出すような漫画でした。文字通り人生は人の数だけあり、また死に方もひとえに「○○死」といっても千差万別なのだということ。死ぬときに本当の自分の価値が炙り出されるということ。死は生と断絶されることであり、死んでしまえばもう一切現世に関われないこと。生死というのは作者の自己満足と面白さのバランス感覚が試される題材だと思いますが、作者の主張と物語の面白みとがしっかり両立できている作品だと思いました。17巻も続いているのにネタ切れ感のまったくないところも、その人の人生を描くというスタイルによるところだと思います。ただ、とはいっても100巻も200巻もこのまま死者一人ひとりの各論を続けていけるとは思わないので、今後どうなるかも期待したいところです。最後に、初期のシ村さんは自分勝手な死者にたいしてもフーンと流しながら腹で笑うところがありました。が、最近は読者の代弁だったり、嫌みというよりもはや喧嘩腰の発言をしたりとかなり雄弁になってきています。シ村さんには読者の憂さ晴らし役ではなく、あくまで死役所のいち職員として、淡々としたストーリーテラーの役割をお願いしたいな…と思っています。
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設定の面白い少年漫画2021年1月5日この漫画を読んで、某小学生男子向けの漫画雑誌の編集部が「子供向けと子供だましは違う」と言っていたのを思い出しました。ざっくり言うと「大人が面白いと思うものを、子供にも伝わるようにしたものが子供向け。大人側は面白くもなんともないけど、子供にはウケるだろうと考えて作られたものが子供だまし」という感じだったかと思います。まさにこの漫画は「子供向け」。(にしては、グロさも多分に含んでいますが。)少年が読んでも面白いというのはもちろん、大人が読むに充分耐えうる面白さを湛えています。少年漫画の王道をいく、ドン・ガン・バーン!のど派手な異能バトルものであるだけではなく、主要なキャラもモブもボロボロ死んでいくサスペンスものであり、かつ不条理漫画の要素もある。ジャンプが表向き少年を対象とするものだとしても、それを押して掲載しただけある漫画だと思います。残念なのは「ドン・ガン・バーン」のスケールが大きすぎて、それを表現しきれていないところがあるところ。「今なにしたの?何をされてこの人は倒れてんの?」となって、とりあえず先に進んで、あーなるほどと合点のいくところがある。臨場感のあるコマ割りもいいけど、もう少し視点を工夫して戦闘シーンが分かりやすくなると、さらに広い世代に受け入れられる漫画になると思います。
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3巻までで充分2020年12月30日シチュエーションはよくある転生もの、中身はよくあるご都合主義…という感じです。悪役に転生しちゃう系って「ヒロインと比べて絶対的不利な立場でそれでもなんとかその状況を脱出しようとするところ」に醍醐味があると思うのですが、この作品はそれがなくてがっかりです。
イケメン王子に婚約破棄された!でも速攻でもっとイケメンな隣国の王子に求婚されちゃった!このイケメン王子は私のことを影からずっとみていたの!しかも婚約破棄した側の王子もすぐに改心してやっぱり私のことが忘れられないの!ヒロインは考えなしでただのかわいこぶりっこなだけ!←ここまでが前提、というのはあまりにも都合良すぎて読んでいて恥ずかしさすら覚えました。最近の少女漫画でももう少しひねってくるのではないでしょうか。
ヒロインにしたとされる意地悪も実はこちらの言い分が正しいんです~、性格もとってもいいです~、悪役と言われてるけど実はお菓子作りが大好きな可愛い女の子なんです~、というなら悪役にする必要はどこにあったのでしょうか。流行りにのって悪役にせずとも、ただの女の子の話としてはじめればよかったのでは。 -
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妄想がきつい2020年12月16日立ち読み増量分のみです。絵を見る感じ恐らく女性の漫画家さんかと思うのですが、妄想がきつくて私には合いませんでした。美人で巨乳で敬語のツンデレ女医さんと、仕事が順調で性格穏やか、料理の腕前はプロ級、そのうえ奥さん大好きな旦那さん…という設定はTwitterなんかではいいのかもしれませんが、単行本で読むと「何を見せられてるんだろう」という気分になってきます。懺悔+ご飯、ってことなので毎話なにかしら不穏な感じになるのでしょうか。それにしても、ティッシュ出し忘れて洗濯物に付着したくらいで「次はない」だの「帰りたくない」だの、帰宅時間まで引きずるってすごく疲れる奥さんですね……。対等じゃないグルメ漫画は見ていてほのぼのしないし楽しくないなあ。料理名の妙に禍々しさを感じさせる書体も謎ですし、個人的には、話のオチにつく性生活の示唆もちょっと…。
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印象変わるかなと思って読んだけどやっぱ無理…。食事は食事、お色気はお色気で分けたらいいのに無駄に食×性に絡める場面ばかり。なかでも他人の赤子の前でおっぱじめようとするシーンが一番無理。やっぱり受け付けませんでした。 -
めちゃくちゃ共感できるはずなのに2020年12月9日有能で聡明で都内の大手にいた人がなんで会社辞めたくらいで田舎に戻るしかない、になるのか本当に分からなくて感情移入できない。東京なんて、ニッチな産業ですら星の数ほどの会社があるのに。
私も男のために女が配膳するような片田舎で生まれたし、それが嫌で大学で上京したし、そのまま就職してアラサーになった。だから内容はよくわかる。田舎の閉塞感、周囲の同調圧力、都会への憧れ、そして挫折。新卒でうまくいかなくて、ブラックだったから体を壊して数年で辞めた。それでも、田舎に戻る選択肢を思い浮かべたことはない。なんで転職してキャリアアップではなく、地元にUターンを選んだのかが描かれてないのは、この手の漫画としては致命的。うまいのに残念という他ない。 -
作為的なほのぼの2020年10月22日私も燻製をやるのでわかりますが、これだけの頻度(週2以上?)でやられたら近所に住む方はさぞ匂いが気になるでしょうね。公園で燻製する描写や燻製したまま外に出る描写もあって、燻製を指南する漫画としては向いてないかな…という感じです。燻製は割とデメリットもある趣味なので、そこを描かないで美味しい+素晴らしいだけなのは片手落ちのような。
漫画としては、なんとなくの同棲、正職でない年下彼氏、口うるさい年上彼女、おそらく二人ともそこそこ薄給…と今時のカップルなのは分かりますが、その分浮き雲っぽいというか、地に足のつかない雰囲気が漂っています。名前の通り「いぶり」と「暮らし」の両方を取り扱っているのは分かりますが、話の節々に生活の不安定さが出てくるので、落ち着いて読めません。燻製してる二人の背中に向かって「そんなことより話し合わないといけないことがあるのでは…」と言いたくなります。もう少しいぶりか暮らしかどちらかに比重を寄せないと、どちらにも集中できずじまいだと思いました。料理系のほのぼの漫画って土台がしっかりしていてこそだと思うので、この二人だと無理にほのぼのにさせています感がすごいです。同じ構図や同じ配置で台詞だけ流れさせる…というのも意図的にやっているのでしょうが、乱用しすぎていて不自然に見える要因ですね。普段はあまりやらないからこそここぞのときに際立つコマ割りだと思います。他の方もいう通り、手抜きっぽさも感じます。 -
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病気と蛇足2020年9月1日主人公の心情の機微を丁寧に描いているのがいいと思う。が、もう少し相手の男性を魅力的に描いてほしい。明らかに魅力的ではないはずの男性がどうしても魅力的に見えてしまって…という話が書きたかったのはわかる。わかるけどあまりにも魅力がないものを無理やりシチュエーションと決めゴマで魅力的に見せようとしている感がダメだった。「俺の○○○の事情を知ってどうすんだ」的なところ、作者としては見せ場なのかもしれないけど白けるというか引くというか。性欲のコントロールをする必要がないまま生きてきた中年なんて、息子の言うとおり本当に病気じゃん…としか思えない。
最後も蛇足だったと感じる。ハッピーエンドの押し付けにすぎない。大人の雰囲気で押していくなら、終わりも読者に委ねるべきだったのでは? -
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さすがヒットメーカー2020年7月28日ともすれば「何も考えてない」「恋愛脳」「お花畑」という読者に嫌われがちな設定のヒロインを、可愛げを損なわずに嫌みなく描けるのは流石だと思います。俺物語もそうでしたが、女子女子した主人公がかわいいですね。
桐山くんも、ののかにとって大事なことを笑ったり軽視したりしないところが本当に好感持てます。彼氏が欲しい女の子と、「彼氏彼氏ってバカじゃねーの?」(ただし後々デレデレする)系の意地悪な俺様男子との恋愛漫画ってありがちですが、こちらの方がよほど感情移入できていいと思います。元カノたちとの絡みでは桐山くんも優柔不断だなあと思っていましたが、巻を進めるごとに真摯になってきて、彼氏も彼女もお互い成長してるのが感じられました。 -
これぞフジリューワールド2020年7月4日SNSで少し話題になっていたので、改めて読みました。小野不由美さんの描写力を、上手に漫画用に解釈し直していると思います。
それにしても封神しかり、原作のある話をアレンジしながらコミカライズするのに天性の分がある人だなあとつくづく思います。とくに終盤、人がバッタバッタいなくなっていく様はページを繰る指が止まりませんでした。連載当時も読んでいましたが、これは単行本で一気読みした方が絶対いい。
絵は確かに独特ですが、なにせ登場人物が多いのでこれくらい書き分けられている方が個人的にはいいですね。綺麗なだけの絵だと、特に小説を読み慣れていない人には誰が誰やらってなりかねないのでその点でもやはりフジリューはうまいと思います。 -
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人並みのおしゃれのヒントがある2020年6月1日男性に向けた「服を着るならこんな風に」を読みながら、女性版もあったらいいのにな~と感じていたのでさっそく購入しました。おしゃれに興味はあるが何から手をつけていいかわからないという方や、逆におしゃれにそこまで興味はなく周囲に最低限ダサいと思われなければいいという方にはぴったりです。もう既におしゃれさんで上級者の着こなしを探しているという方には向きません。
本の内容としては、男性版は「おしゃれを教える」感じでしたが女性版は性差を意識してか「おしゃれを話し合う」感じの流れになっています。中身は女性版の方がやや応用チック。男性版は主人公のおしゃれへの抵抗感などメンタル面にかなりページを割いていましたが、女性版は導入がスムーズです。MBさんお得意のドレスカジュアルの話、色や生地の話のほか、実用的な服の合わせかた、雑誌やブランドについても載っています。またオフィスカジュアルや結婚式のお呼ばれ服についても記載がありますが、そちらは基礎的なことでそこまで勉強になることはありません。そう思うと少し割高かな。
女性のファッションは男性と比べ幅広いので仕方ないところではあるのですが、最終的には「あとは自分が好きになれて似合っている服を見つけてね」というまとめに集約します。(とはいえそれが一番難しいんですよね。。。)
でも環ちゃんがかわいい~。 -
あまりにも救いがない2020年5月27日連載当時、大学生のころ読んでいました。最終巻はファンの阿鼻叫喚がすごかったですね。山岳部に友人がいましたが、部内はお通夜モードになっていたらしいです。それにしても山は怖い。それを押さえて余りある魅力があるのでしょうが、いっそ知らない方が幸せなこともあるのだろうなと感じるほど、この漫画は自然の怖さを教えてくれると思います。
連載当時も思っていましたが、絶対にこの人には助かって欲しい!この人を助けて欲しい!と思う要救助者ほど亡くなりますね…。みんな助かって良かったねめでたしめでたし!では本当の山の怖さは伝わらないというのは、もちろん頭では分かっているのですが、いかんせんナオタが可哀想すぎて……辛いです。 -
えぇ…2020年5月21日分冊の立ち読みでどうしようかなと迷い、レビューを見てスッキリできるならと思い購入しましたが全然できませんでした(笑)
主人公が言い訳がましいうえイライラさせるやつ、というのはこんな人いるいると読み進められたのですが、周囲が酷くて、主人公が前向きになったところでまったくモヤモヤが晴れません。無責任な上司、陰湿な同僚、アスペっぽい新人。こんななかで主人公だけが見くびられるいわれなどないのでは。それ自体が究極の「社会あるある」なのかもしれませんが、作者の方はそんなところまで見越して微に入り細に入りリアルに書いたのでしょうかね。
特に彼氏、長年付き合った彼女を「人のこと誉めない」「自分をよく見せようとしているだけ」と言うなら自分は「責任逃れをしている」「身内には何をしても&言ってもいいと思っている」であり、どの面下げて主人公だけを糾弾できるんだと言う感じでした。それも彼女が風呂に入っている間に「俺との将来を疑ってなかったんだろうな…」と爽やかな笑顔で去っていくところ、鼻で笑ってしまいました。漫画内で痛い目を見なかったのは残念でしたが、どうぞこのまま勘違い中年への道を突っ走ってほしいです。 -
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大谷崎ファンを裏切りません2020年1月8日谷崎潤一郎の代表作「春琴抄」をベースにした作品です。
大谷崎の耽美、甘美、倒錯的な作風を余すことなくきっちりと表現していると思います。原作が長編ではないのでオリジナルエピソードが入っていたり、原作にはない作者の解釈が入っていたり、原作より春琴の幼女性を強調していたりはしますが十分受け入れやすいレベルです。
ただ、あの男装のオリキャラはいるかな……という印象を最後まで持ちました。設定も強めだったので、もしかしたら作者の他の作品に出ているキャラかもしれませんが…。「私」とオリキャラの場面になるたび、こちらの世界に引き戻されてテンポの悪さを感じました。そこだけ原作の雰囲気を損ねているように思います。 -
最後が…2020年1月6日1巻無料だったので。
短話版で大量に指摘されている通り、導入の話があらゆる意味で金○妻と酷似していて「これはダメなのでは」と悪い意味でドキドキしました(笑)ストーリー的にも、金○妻の女性が複数人出てくると思えば外れていないと思います。
しかし似ているとは言え2巻までは、狭い町の中でそれぞれにモヤモヤを抱えた女性たちがそれぞれに闘う姿が爽快です。不倫を肯定しているわけではありませんが、不倫によって自分の道を取り戻すところがあって不快感は感じません。
ただ最終巻は闇落ちに、浅い述懐に、あるあるなオチでなんやかんやみんなめでたしで良かったですね的な……もっと違うまとめ方があっただろうなと思います。 -
6巻までが高評価だったからこそ2019年7月5日最終巻にはがっかりしました。
高校生と三十路という設定の漫画は数多くあるなかで、新田さんの漫画は気味が悪いほどリアリズムがあるところに惹かれていました。
(これが男性漫画家の描くJKとおっさんだったりすると、アダルトシーンがなかろうとその漫画家の萌えやら欲望やらが滲みすぎてて見てられなかったりします)
浮気の前科ありなのに自覚なくフラフラしてる主人公も、ナチュラルに主人公を見下してる元カレも、他の登場人物も
それぞれに自己中心的で読む側をイラつかせてくれるし
話の流れも共感と意外とを行ったり来たりして飽きさせずに進んでくれていたのに
最後の最後がそれ?という感じでした。
別にあの終着点がナイという話ではなく、終わらせ方というものがあるだろうと思います。
散々選ばれない人生に対する不満と諦念とを丁寧に取り上げていたのに最後には簡単にアノ人と付き合って「今が良ければいいんだ☆」という終わり方、驚いたというか……呆気に取られました。
もっとそこの感情をしっかり描いてほしかった。ここまで広げた風呂敷はなんだったのという感じです。 -
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私には合いませんでした2019年5月14日表紙から設定から絵柄から、どれをとっても好みなのですが残念ながら合いませんでした。評価が高かっただけに残念です。
これだけ年の離れたカップルなので穏やかでじんわりとしたストーリーを期待していたのですが、ただ年の差が大きいというだけでよくある少女漫画でした。まあそれなら、悩みながら愛を育む系…という感じかと言えばそうでもなく。脇役が横から「嫉妬が云々」「愛はgiveで云々」と口を出すのが気になって集中できません。
特に助手のでしゃばりが目につきました。恋愛する気のない教授&根暗な主人公なので、仲が進展するために周囲ががんばるしかないのは分かります。でもこの助手は主人公に絡んでは思わせ振りな台詞を一人ごちる…の繰り返し。番外編も出ているので、恐らく作者のお気に入りキャラなのだろうとは思いますが、そこまで魅力のあるキャラには映りませんでした。
主人公の友人の恋路や行動も「でしょうね」という感想ばかりでした。キャラもぶれていて、後付けがいろいろあったのだろうと思わせます。
また、前妻はただ意地悪を言う恋敵というだけ。離婚原因から将来像に至るまで自己中なのも気に障りましたし、その割に出てこなくても話に支障のない人物だとさえ思いました。
正直、脇役の話はある程度カットして主人公カップルの空気感を伝えることにページを割いてほしかったです。最終巻に向けて予定調和している感が傍目にも分かりました。 -
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主人公が身勝手で感情移入がむずかしい2019年5月7日こういう話は大抵「中身が肝心」とか「内面から滲み出る美」とかでお茶を濁しそうなものですが、美醜というテーマにしっかり向き合ってこの漫画なりの結論が出るところに好感が持てました。
出てくる人物それぞれがコンプレックスや悩みを抱え、それぞれの美や善を見いだしていくところも楽しく読めます。
ただ主人公が自分勝手に親友の体ではしゃぎ回り、恋愛観を押し付け、あげくに(他人の体で)大人の女性として非常識な行動をとるのは全く不必要な演出だったと思います。それなら親友なんて設定は外してしまった方が良かったのでは。
分かったようなことを上から目線で語ってはお世話をやく市役所のおばちゃんも、もう少し自然なやりようがあったと思います。 -
「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました
内容自体はよくある掃除本です2019年3月31日ネタバレにならないレベルで内容を話すと、「ものを要るものと要らないものに分ける」「ものを分類する」「ものを収納する」という、どこにでもある掃除本です。
それだけに基本は決して外さないのですが、言い換えるなら新しい発見のある本ではないと思います。例をあげれば「ときめくかときめかないか」みたいなキャッチーな言葉は出てこず、ものを捨てる判断を与えるタイプの本ではない、ということです。この本の他の掃除本との差別化ポイントは「ズボラな人の部屋を実際に掃除した経験が載っている」というところにあると思いますが、それだけで1000円の価値があるかと言われれば少し微妙です。
ただ著者がもともと片付けられないタイプだったということで語り口が非常に優しく、素直に聞き入れやすい作風というのが大きな特長だと思います。読んだあと、じわじわと片付けてみようかなという気になれると思います。