りんご、木から落ちる
」のレビュー

りんご、木から落ちる

犬時/笑平

いじめっ子受けの漫画がド性癖!執着攻め

ネタバレ
2019年7月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 基本はラブラブ素敵な短編集なんですが、
皆さんのレビューで評価が割れている、この短編集の収録作品の
「俺は人気者」という、いじめっ子受けの漫画がもう、もう、私はド性癖でたまらないです。
いわゆる、いじめっ子をやり込めて支配する攻めの話で、無理やりっぽい内容なので、ラブラブハピエンしか無理な人には確かに辛いかもしれないのですが、二巻の終わり方、実はかなりハッピーエンドに近いと思います。
いじめっ子のゴローを支配していた攻めが、いつの間にか、ゴローから向けられた気持ちに今度は自分が囚われていく。マウントを取る側が変わっていく。
最後のページ、ゴローがポストカードを捨てていない描写からも、潜在的に両想いである可能性が伝わります。
内面がどこか孤独な二人の、悲しいほどに歪な形の両想いだと思いました。

いじめっ子がヘラヘラした男子にテープでグルグルに巻かれて泣かされるなんて凄い性癖。そして、どこかイカれてる攻めの二巻のあの表情の切なさ。
攻めの小笠原は、ずっと他人に本性を見せずに生きてて、本性を曝け出していた唯一の相手、ゴローに思いがけず心を向けられて、たまらなくなったのかな。
今の終わり方がベストな気もするけど、是非とも続編が欲しいです。二人がちゃんと通じ合えるまで。そして単行本一冊にまとめてほしいです。
執着攻め、病み系BLの名作になるであろう、それくらい骨太の内容だと思います。
とにかく凄い短編集です。普通じゃないし、振り幅が凄い。凄い才能だと思います。
もっともっと読まれて評価されるべき。絵が特徴的だけど、むしろそこがいいんです。お二人のタッグ、本当に素晴らしいです。
いいねしたユーザ11人
レビューをシェアしよう!