てのなるほうへ【特別版】(イラスト付き)
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てのなるほうへ【特別版】(イラスト付き)

栗城偲/小椋ムク

やさしいお話

ネタバレ
2019年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 中途失明者の紺野巽(20)は会社の昼休みに訪れる公園で草枕と名乗る狐の面を被る男と知り合う。一人暮らしの部屋に違和感を覚え、草枕に確かめてもらってからは物の位置が変わることもなくなった。ところが暫くして寝ていると人ならざるものに身体を触られるようになり..

小椋ムク先生のイラストがとても素敵。
ムク先生のイラスト同様、ほわんとした優しいお話。

受の巽視点であり、その巽は目が見えず、たとえ見えていたとしても攻の草枕はのっぺらぼうでお面で顔を隠しているから草枕の感情が分からず、巽と一緒になって草枕の言動に一喜一憂しながら読みました。

巽が相手と話していて沈黙されるとそこにいるのか分からず不安になるシーンが何度かあって、そういうものなんだなぁと。
初っ端のコンビニのサンドイッチの件も考えさせられました。

『春宵一刻』で人間の巽は草枕を残してこの世を去ることに触れられてて、人外と人との恋につきものの問題ではあるけどそれを考えると切ないなぁ。
草枕はやっと自分を特別に想ってくれる人と出逢えたのに。

ラブラブなシーンが少ないので2人のいちゃいちゃ日常パートをもっと読みたい!
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