会話が、行動が、妙に胸をざわめかせる





2019年7月26日
望月花梨先生特集をやってくれるなんて夢にも思ってなかった。もうこれは買うしかないということ。
繰り広げられる世界はおキレイな絵空事ではなく、楽しいばかりの青春でなく、むしろ、どこかの神経をそっと刺激して行く。
終わり方が玄人で、是枝裕和監督に映像化してもらったらどうなるかな、と思ってしまう。可能性を含ませて、沢山の選択肢を読者に預けてしまう、巧妙な、予断を与えないタイミングでサッと幕が引かれる。「鍵」など、そこもそう来たかニクイね、という感じ。
作家性が、文字だけでも絵だけでも語りきれない、漫画家のもの。描かれる対象、取り出してくるところが非凡。
紡がれる言葉も、遠慮のない十代同士に微かな思い出として味わされた、苦味を含んだ傷口に沁みるような切れ味。
人物の絵がまた、モノローグの似合う、容易に他人に心を開かない感じのキャラを出して、明け透けにしない分どこか単純なストーリーとしない余白を、各キャラのその後ろに用意している。謎を振りかざしたり、思わせ振りな仕掛けが無くても、行間を読んで、人の意地悪な行動や他人を翻弄させる嘘のもたらす波紋を目撃する。
上手い人だと思う。
この漫画は、「ねぇねぇ話は結局どうなったの?」と、白黒はっきりした決着を知りたい人には向かない。
話の行方は、ロマンスでいうところの結婚とか、学園恋愛の恋人同士になるとか、そんな方向で、一丁上がり、の性格を持たない。
そこに、望月先生の真骨頂がある。これは、そういうタイプのものを寄せた短編集だ。
繰り広げられる世界はおキレイな絵空事ではなく、楽しいばかりの青春でなく、むしろ、どこかの神経をそっと刺激して行く。
終わり方が玄人で、是枝裕和監督に映像化してもらったらどうなるかな、と思ってしまう。可能性を含ませて、沢山の選択肢を読者に預けてしまう、巧妙な、予断を与えないタイミングでサッと幕が引かれる。「鍵」など、そこもそう来たかニクイね、という感じ。
作家性が、文字だけでも絵だけでも語りきれない、漫画家のもの。描かれる対象、取り出してくるところが非凡。
紡がれる言葉も、遠慮のない十代同士に微かな思い出として味わされた、苦味を含んだ傷口に沁みるような切れ味。
人物の絵がまた、モノローグの似合う、容易に他人に心を開かない感じのキャラを出して、明け透けにしない分どこか単純なストーリーとしない余白を、各キャラのその後ろに用意している。謎を振りかざしたり、思わせ振りな仕掛けが無くても、行間を読んで、人の意地悪な行動や他人を翻弄させる嘘のもたらす波紋を目撃する。
上手い人だと思う。
この漫画は、「ねぇねぇ話は結局どうなったの?」と、白黒はっきりした決着を知りたい人には向かない。
話の行方は、ロマンスでいうところの結婚とか、学園恋愛の恋人同士になるとか、そんな方向で、一丁上がり、の性格を持たない。
そこに、望月先生の真骨頂がある。これは、そういうタイプのものを寄せた短編集だ。

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