ジェーンおばあちゃん、ありがとう





2019年7月27日
P91にあるメデゥーサことジェーンおばあちゃんのセリフがある「私が/ケイトにたいして/本当に/残してやりたいのは/家や/お金/ではないの/あなたたちみたいな/家族の存在よ」このセリフを読んだときに、私の目からはボロボロと玉のような涙がこぼれてきた。人よりも経済的には恵まれていても、それを理由に特別な友達ができない。それどころか両親ですら彼女の傍らにはいない。それでも、ケイトにはディランがいた。ディランの家族がいた。ジェーンおばあちゃんがいた。それしかいなかった。作家という隔絶された中での職業が拍車をかけてケイトは孤立していた。ジェーンだけはケイトの本音を見抜いて勇気を持てとギリギリのところで背中を押していた。オチョケテ見せて言いたいことを言ってるようで、それが災いして本音は言えない。いじらしくて美少女で金持ち・・・う~ん妬ける。契約結婚とはいえ、ディランの深層心理についても展開良く筋道立てて上手く描かれているし、ケイトの初恋ケインのかかわり方も素晴らしい。私もケインにホレちゃいました。ディランもディランの家族との絆も理想の形がこの物語に詰め込まれていて読者の私にさえ幸福感をお裾分けされた気分になりました。最後に、あの辛辣な弁護士のため息顔を1コマ登場させてほしかったなぁ高山先生そういうの上手なはずだけど。

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nyanya6 さん
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