このレビューはネタバレを含みます▼
女性を信頼し、好きになって結婚したくないが、周囲が煩いので結婚する、という不可解な思考から選ばれた結婚相手は、たまたま隣に居合わせた自分中心で我儘で美しい女性でした。跡取りだけ作って早々に離婚する、子が出来ない場合も離婚すると言い切るローレンスの元に嫁いだのは、姉 アダレードの身代わりとなった妹 アデルでした。容姿は瓜二つでも心はまるで違う二人。アデルは心優しく気立てが良い働き者でした。別人とは知らず、けれど雰囲気が全く違うと思いながらも、ローレンスは心を閉ざしたまま結婚生活を始めます。ところがローレンスは日々ローレンスのために女主人として、妻として頑張るアデルに、知らず知らずのうちに惹かれていきます。戸惑うほどにどんどんと頑なだった心が解されていく様子がとても良かったです。そしてそれは激しい思いとなりアデルを愛する気持ちに変わっていきます。アデルに出会い、アデルのお陰で使用人からも領民からも慕われるようになっていくローレンス。もう溺愛も仕方ありません!心が通じた二人の結婚生活は愛があってエロエロでとても良かったです。ただ、終盤の姉の隠された思いの告白がどうにも陳腐に感じてしまい、盛り上がる家族をよそにシラケてしまいました。