特装版「親なるもの 断崖」
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特装版「親なるもの 断崖」

曽根富美子

ただただ、悲しい

2019年8月15日
昭和初期の日本、貧しさのため遊郭へ売られていった女の子たちのお話。
引き込まれて一気に全巻読みました。
全体的に暗く、少しでも笑えたりほっこりするような場面は皆無です。
自分を売って生きるしかなかった少女たちの運命、ただただ痛々しく、悲しいです。
生まれた時代がもう少し後だったなら、もっと違った生き方が出来ただろうに…と思うと、娘を持つ親としてはいたたまれない気持ちになりました。
そして、平和で豊かな時代に生まれることが出来た自分はそれだけで本当に幸せだし、何があっても子供だけは手放したくないと改めて考えさせられる内容でした。

全体的に梅(途中からはその娘)の立場で描かれていますが、個人的には武子や道子のエピソードももっと見たかったな、と思います。
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