MW(ムウ)
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MW(ムウ)

手塚治虫

破滅の道一直線

2019年8月17日
同性愛、愛憎、猟奇殺人、狂気、共依存、悪。MWと言われる毒ガスによって破滅していく物語。MWのせいで脳が変貌した結城は、今だとサイコパスのシリアルキラー?
話はいきなり誘拐殺人からスタート。子供の死んだ顔がインパクト大。待ったなしの容赦なし。賀来は罪を重ねる結城に対して、愛し憎み迷い苦しみながらも、同時に止められず抗えず一蓮托生状態。おまけに最後……。
連載は1976年頃ですが、毒ガス事件や大量殺戮等、今でもいけそうな内容。国会の答弁は昔も今も全く変わらないと実感。しかし天才的な変装、大量殺戮しているのに上手く行き過ぎ等、少々ご都合的で展開が早すぎる印象もあり。
澄子も何故結城を好きに……悪の魅力?全体的に女性の扱いは微妙。さらに主要キャラかと思った松前刑事、記者の青畑などあっさりフェードアウト。終盤、目黒検事がしつこく追い詰め、結城の敗北かと思いきや最後の最後でいいオチ!!
独りになった結城はこれからどうするのか。被害者であり加害者でもある結城が人類滅亡を願うのは、本当は自分が生きることに執着しているから?
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