愛されたがりの尽くし方【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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愛されたがりの尽くし方【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

楢島さち

大スキ!!

ネタバレ
2019年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 相手に必要とされたくて、母親のように世話を焼き、体を許してしまう受けが、彼氏に捨てられて、昔住んでいたアパートに立ち寄る。すると、今の住人が偶然にも、受けがアルバイトしている飲食店の常連客だった……と言うところからスタート。
常連客である攻めは、店員として働いている受けに好感を持っていて、口説いてくれる。けれど、受けは、必要とされたいという欲求が強くて、「恋情」に関係なく体を許そうとする。それを感じ取った攻めが、「好きだから我慢する」という姿勢を貫く。
行く当てがないなら住んでよいと同居を始め、家賃替わりに体を許そうとする受けをいなして、「人を想う事」を教えてくれる。攻めの職業が学校の先生というところもなんだか説得力があって良いです。
受けは今までにない扱われ方に戸惑い、悩み、そして、恋をすることを知る。恋を知って己の言動を振り返り、攻めに失礼なことを言っていたのだと気付いてからの態度が可愛い!ちゃんと謝るし、今度は、照れてソワソワして攻めを意識しすぎてもどかしくなるのも良いです。本当に可愛い!
攻めが、元カレに「世話を焼いてくれなくてもコイツが好き」というようなことを言い放ってくれるシーンがとても良かったです。受けも、己の態度を改めた後は、ちゃんと元カレとの事も綺麗に解決しようと行動するなど、どちらの人物にも好感が持てました。
この作者の作品はコスメティックが好きで、楽しみにしていました。でも、物語としての優しさはこちらの方が心地よいかもしれません。今後も応援したい作家さんです。
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