このレビューはネタバレを含みます▼
前作から番外から全て読んでいます。どういう結末になるのかと思ってましたが最期を看取って別離エンドですか。
大前提として世界観や設定が同じである以上、このシリーズには人間と紅茶王子の別離というテーマがつきまとうんですが、前作の結末が好みだったので今作のオチには若干モヤモヤが。作者の方のファンなのでこんなことを書くのは心苦しいのですが正直買って後悔しています。
最後にサクラが国に帰るシーンなんかもすごく感動的で美しいんですけどね……理解できることと納得ができるかはまた別といいますか。
紅茶王子が人間になれる条件を二人で話したシーンから結論までが短いのもあるのかな。そこから結末までにもう少し葛藤が見える場面があってもいいと思いました。
いつかの別れのために今の幸せを蔑ろにすることは確かに愚かだけど、そんな風に割りきって幸せでいられるのか。
負の感情に振り回される愚かな人間側からしたら一緒にいられれば吉乃に夫が出来ようが子が出来ようがなんだろうが一緒にいるというサクラの美しい意思には全く共感できず。
最後の方はただただ美しく強い選択が美しい結末を生み……あまりにも美しすぎて私みたいな嫉妬や不安を感じる人間には理解はできても共感はできない部分が多かったです
。
創作物としては素晴らしいですし美しいんですけどね。
それにシリーズ物の新作メインカップルで前作と同じ結末にしてもなという部分もありますしね。
美しい部分を納得して受け入れられる方には切なく感動的な命を紡ぐストーリーとして楽しめると思います。私にとっては前作キャラのその後を楽しむストーリーになりましたが。とにかく紅茶王子シリーズが無事に完結したことはとてもめでたいですね。