ふつうな僕らの
」のレビュー

ふつうな僕らの

湯木のじん

心理描写が素晴らしい

2019年8月25日
作者買いです。過去の作品も全部読んでますがとにかく心理描写が素晴らしいです。
少女漫画によくある、いつ好きになったの?とかどこで惚れたの?とかこの人の何が好きなの?とかいう疑問が全く出てこなくてすごいなと思います。あと主人公の女の子に全く嫌味がないのと、すれ違ってもなぜかイライラしないどころかいつも切なくて泣けてきます。

誰かの心臓を貰った女の子と耳の聞こえない先輩のお話です。先輩が耳が聞こえないと知ってもやっぱり好きで、先輩のために何ができるか、自分がどうあればいいのかなど思い悩む女の子がとても切ないです。
今回も登場人物それぞれの気持ちの変化が繊細で丁寧で、テーマが少し重いぶん台詞にとても考えさせられます。
女の子が出会ってすぐに好きになるという展開はのじん先生の作品では珍しいと思うのですが、それでも一緒に過ごしてやっぱり先輩のこと好きだなと思うまでの過程がすごく丁寧に描かれていてさすがだなと思いました。

絵も綺麗で大好きです。いまから2巻が楽しみです。またのじん先生の作品を追えると思うととても嬉しい。
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