憂鬱な朝
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憂鬱な朝

日高ショーコ

大作映画を観たような気分

ネタバレ
2019年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 凄いとしか言い様がない!BLとは結びつかないような時代背景なのに違和感なくストンとはまり切ってます。この時代ならではの身分や家問題を時代の流れと2人の成長と共に描かれているのが素晴らしかったです。お互い想い合ってるのに、色々なしがらみと時代ゆえに交わる事のなかった2人が、色々な過程を経て結ばれて本当に良かった。『同時に古くなっていく揃いのものが欲しかった』と懐中時計を渡した時には感極まりました。身分ゆえに肩を並べて歩けなかった2人が『共に生きていく』始まりでもあり、一緒に時を刻んでいくという意味でも素晴らしい贈り物だったと思います。暁人の留学前にお互いの懐中時計を交換し、『互いの2年を共に過ごしましょう』と言った桂木の言葉に全て反映されてます。本当に素晴らしくて、この作品に出会わせてくれた作者様に感謝しかないです。個人的に1つだけ、一度でもいいから『桂木』ではなく『智之』と呼ぶ暁人を描いて欲しかったなと、それだけが心残りです。
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