鬼の戀
」のレビュー

鬼の戀

丸木文華/Ciel

童歌

ネタバレ
2019年9月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全てが初めに出てくる童歌に集約されています。
この文章力、構成力。作家さんの実力がわかる作品だと思います。
禍々しい雰囲気と小さな集落ならではの郷土愛、執着。
ある種の宗教じみた洗脳をされたような村に生まれた宗一の葛藤と嘆き。連れ戻された萌の中に眠っていた逃れられない血。
主役2人の純愛を引き立てる背景描写がいいです。
鬼よりも怖いものは人間、親族。
激しくも下品にならない官能シーンも、2人だけにしか理解できないハッピーエンド(?)も私は好きです。
重厚感のあるお話が読みたいときはいいかも。
ただ、好き嫌いはハッキリ別れるでしょうね。
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