苦しみを乗り越えるまで





2019年9月7日
自分がきっかけを作った事がもしも身近な人の死に行き着いてしまったとしたら、やはり強烈な自責の念に苛まれるのかもしれない。
きっとその葛藤を乗り越えて行くのは、こうした、辛さを克服しきれずにいるときに側に居てくれる存在の、心強い精神的な包容力と説得なんだろうと思う。「自分を責めなく」なればと、「赦しはそこにある」とは只の換言に過ぎない。具体的解決を導いてはいない。そうなれない人にそうなれとは。
しかしいくら夢を追うHQでも、妊婦が荒れた海とか、安定期直後に赤ちゃんが蹴ったとか、親の決めた婚約者の唐突な恋愛結婚強行も遠景なのか息苦しさなのか、賑やかしの王子多数の登場も、諸々なんだコレ、という印象。
自分は幸せになる資格は無いとばかりにとことん姫を避けまくっていた彼が、終盤見せる見違える行動力、私は冷めて眺めていた。
ヒロイン父のリアクションは、いちいち父親らしいとはいえ、ならば公人として二人を追い詰め、結婚で容易に動かせぬ既成事実化する両国両家の冷静な動きとは、どこかしっくり来ない。
アレックスの頑なさの軟化をよりドラマチックに見せ場としてくれた方が良かったかと思う。人を受け入れる余裕の無かった彼の心に、古くから彼を知るヒロインが折れそうになりながらも、針の穴のような僅かな隙を彼の中に見つけるとき、彼は、恰もストーリー中に度々象徴的に表される鍵のかかったドアを、ピンでこじ開けてでも入り込むヒロインの辛抱強さが輝く。
この無断侵入が、彼を驚かせはしながらも意外に大丈夫。そうでもしないと入り込めない彼の強固な胸中が、大切な人を失なった悲しみと苦しさ、自分を許せない気持ち、固まってしまって身動きのとれていないものを突破する暗喩。彼女に未知のものは、このやり方で開いてみる。彼の変化が視覚的には判り辛い。私の心も動かされにくい。口の重い彼は後半にも放置があって、彼の中にはヒロインへの説明不足な彼の、達成まで秘めていた信念があって、それ、言っちゃ悪いが独り善がり。
もっとも、HQには珍しくもないコミュニケーション不足なのだが。
登場人物の人数ほどに話は二人以外の人間を表に引っぱり出さない。
クルーズ船では二人のことが責任問題になってなかったか?
無人島での、変形新婚生活シーン、住居の持ち主がわからないうちは、手放しに二人の関係が甘くなることを期待できず、彼は時間を乗り越えた。
きっとその葛藤を乗り越えて行くのは、こうした、辛さを克服しきれずにいるときに側に居てくれる存在の、心強い精神的な包容力と説得なんだろうと思う。「自分を責めなく」なればと、「赦しはそこにある」とは只の換言に過ぎない。具体的解決を導いてはいない。そうなれない人にそうなれとは。
しかしいくら夢を追うHQでも、妊婦が荒れた海とか、安定期直後に赤ちゃんが蹴ったとか、親の決めた婚約者の唐突な恋愛結婚強行も遠景なのか息苦しさなのか、賑やかしの王子多数の登場も、諸々なんだコレ、という印象。
自分は幸せになる資格は無いとばかりにとことん姫を避けまくっていた彼が、終盤見せる見違える行動力、私は冷めて眺めていた。
ヒロイン父のリアクションは、いちいち父親らしいとはいえ、ならば公人として二人を追い詰め、結婚で容易に動かせぬ既成事実化する両国両家の冷静な動きとは、どこかしっくり来ない。
アレックスの頑なさの軟化をよりドラマチックに見せ場としてくれた方が良かったかと思う。人を受け入れる余裕の無かった彼の心に、古くから彼を知るヒロインが折れそうになりながらも、針の穴のような僅かな隙を彼の中に見つけるとき、彼は、恰もストーリー中に度々象徴的に表される鍵のかかったドアを、ピンでこじ開けてでも入り込むヒロインの辛抱強さが輝く。
この無断侵入が、彼を驚かせはしながらも意外に大丈夫。そうでもしないと入り込めない彼の強固な胸中が、大切な人を失なった悲しみと苦しさ、自分を許せない気持ち、固まってしまって身動きのとれていないものを突破する暗喩。彼女に未知のものは、このやり方で開いてみる。彼の変化が視覚的には判り辛い。私の心も動かされにくい。口の重い彼は後半にも放置があって、彼の中にはヒロインへの説明不足な彼の、達成まで秘めていた信念があって、それ、言っちゃ悪いが独り善がり。
もっとも、HQには珍しくもないコミュニケーション不足なのだが。
登場人物の人数ほどに話は二人以外の人間を表に引っぱり出さない。
クルーズ船では二人のことが責任問題になってなかったか?
無人島での、変形新婚生活シーン、住居の持ち主がわからないうちは、手放しに二人の関係が甘くなることを期待できず、彼は時間を乗り越えた。

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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件
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アールグレイ さん
(女性/40代) 総レビュー数:2件