光さす道の途中で
」のレビュー

光さす道の途中で

三池ろむこ/杉原理生

焦れったいったらない

2019年9月7日
微妙な表紙絵に購入も躊躇しましたが、柔らかな描写と繊細な文体に惹き込まれました。表紙絵だけで判断しなくて良かったです。三角関係とまではいきませんが、3人の男の子たちの距離感が危うくてもどかしくて、友情と愛情の狭間で苦しむそれぞれの葛藤がお話の大部分を占めており、中核となっています。誰かが一歩を踏み出してしまったら3人の関係がくずおれてしまうような緊張感が常にあり、微妙な均衡を保ったままの友情はかなりもどかしかったです。杉原さんの作品は焦れったいものが多いですが、今作は特にジリジリしました。終盤まで友情を引っ張る展開にジリジリもMAXとなりましたが、このジリジリこそが読みどころだと思います。
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