どれだけ好きかをわかっていく描写が切ない





2019年9月17日
前作で恋人同士になった上司と部下のBLが、本作では「元」上司となり、上下という縦関係絡みから、同じ会社の社員同士というだけの横要素と、それにプラス部署の壁という新局面色の強いものへ変化。この環境変化は、いくら小さい会社でも所属部署によっては、同じ会社に勤めていてもなかなか顔を会わせられない、という泣きどころ。こういうバリエーションもわざとらしさがなく(ストーリーを作る側のわざとらしさは一杯なのに!)、机を並べていた二人が別部署で試練をくぐるニクイ展開方法で、また、二人の感情が綺麗に示せていて、こちらの作品の味わいもなかなか。
前作は二人共に絵に可愛らしさが漂ったが、本作は、高梨に男らしさを少し出して、相対的に徳永は高梨のことをかなり好きになってしまった、という描写に、比重。
元から同性愛者と、こと好きになった人間(徳永)が同性だ、という人物関係は他のBLで語り尽くされているはずなのに、この今さら新しくもない配置で、特殊な環境でもない、(同性愛に寛容ではある)温かい方ではあっても一般的な企業にいる二人の社内恋愛を語らせる本作が、意外なほど印象を残す。
それは多分、彼らを受け入れる会社と、そこをどうこうあげつらう外野と、また、自分の中での揺れ、が、ドラマになるからだ。
そんなところを、ちゃんとドラマに出来る作者の器用さが素晴らしい。
前作は二人共に絵に可愛らしさが漂ったが、本作は、高梨に男らしさを少し出して、相対的に徳永は高梨のことをかなり好きになってしまった、という描写に、比重。
元から同性愛者と、こと好きになった人間(徳永)が同性だ、という人物関係は他のBLで語り尽くされているはずなのに、この今さら新しくもない配置で、特殊な環境でもない、(同性愛に寛容ではある)温かい方ではあっても一般的な企業にいる二人の社内恋愛を語らせる本作が、意外なほど印象を残す。
それは多分、彼らを受け入れる会社と、そこをどうこうあげつらう外野と、また、自分の中での揺れ、が、ドラマになるからだ。
そんなところを、ちゃんとドラマに出来る作者の器用さが素晴らしい。

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