金の砂漠と白い雪
」のレビュー

金の砂漠と白い雪

メイシー・イエーツ/七星紗英

私が幸せにすると決めたから

2019年9月21日
上記は二人の結婚がまだ本当に確かなものになる前の彼女の言。
もしも、この先も結婚が続くこととなっていた状況で発していたなら大きな意味があるが、気持ちで言ってる上滑りな感じがしなくもない。
彼は彼で「この感情が何を意味するか知りたくもない」とその種の感情を半自覚したのは早い。

盛り沢山なあれこれが残されたまま。
親が認めてくれない、そんな不満は珍しい事ではない。しかし、国王が認めなくても国民は観光事業の旗振りを頑張る王女を見ていたはず。弟を、王位に就くまで自由にさせてやりたい?従兄弟が「騒ぎを起こすだけの財力も縁故もない」のに「戦争や暴動を起こす」と警戒されてながら呑気。第一、騒ぎを起こす力がないのに戦争などを起こすだなんて、これが矛盾でなくて何?
宮殿内で花瓶にぶつかる片目の大変さが説明ある直後、ヒロインの町歩きで追いかけて(引きこもりは隣国対策としたって)馬を走らせ砂漠へ?目は?
公の場に姿を表さないのは自分のパニックを恐れてなのか、国の防衛なのか、「獣の王」として恐れられていることへの意識なのか?
状況説明がやたら多いが、誤植。サイバーズギルトでなくサバイバーズギルトでしょう?襲撃が、資源と金目的!?そんな略奪国家(近現代も侵攻あるが)の暴挙がヒロインが嫁いでやっと白日の下に?それこそ今どきの話?そんな中で「今の時代に馬鹿げた」政略結婚を鼻で笑う?「金」だの「食い物」だの狙う隣国に野放図にやられてる泣き寝入りで?前の襲撃首謀者が前王太子の王妃?それは立派な外交問題。戦国時代のよう。
宮殿の奥に引っ込んでいるかと思えば、ヒロインにすぐ「見慣れ」る事ができてパニック卒業。この苦しみは僕への罰だ、は辛かったと思うが、「何も守れなかったというならこれから先守ればいい」が、守れることが出来た実績で立ち直る。そして「囮」とは、ついていけない。そして、利用したのはお互い様、と。話の順序が二人の間に育っているものとの関係に沿っていない。
何年も苦しんだ「サバイバーズギルト」の発端となったものは根絶しきった訳でもないのに、よく審査して亡命受け入れ?もうそんな事出来るのか?大使館・在外公館は隣国に?、まだ国交あるのね!
美女と野獣型の、契約結婚物になり損ないで、あちこちがおかしい。初め偏屈者と見せ、王女は卑屈と。誰でも彼の立場ならそうなると思うのに。
邦題が変。HQでは珍しくもないが。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!