灰の月
」のレビュー

灰の月

木原音瀬/梨とりこ

健気受け、激痛い系がお好きな方は是非!

ネタバレ
2019年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 木原先生の作品はヘヴィだと言われがちですが、痛いくらいの感情でないと愛を感じられない人間からするとこれこれ!待ってた待ってた!状態です。
個人的には下巻の停電で絡むシーンがたまらなく好きです。優しく抱いてもらえず、嘉藤に暴言を吐かれ倒し、惣一くん、傷ついてボロボロです。心が痛くなるシーンですが、そこが木原先生の作品の味わいどころです。
ただ驚きを禁じ得なかったのは惣一くんの肉体が、意図的に、または望まない形で変わっていく様(女体化)でした。私は女性の身体が好きになれず、BLモノしか受け付けないのですが、ここにきてまさかの…。嘉藤一人のためだけに全身を差し出す、究極の愛ですね。別作「月に笑う」でもシリコンバックを入れた方がいいのかと受けが悩むシーンもありました。木原先生の描かれる受けは本当に健気で献身的。
ラストに関しては意見が分かれそうだな、と。個人的には究極のハッピーエンドです。(特に惣一くんにとっての)何を差し置いても1番手に入れたかった物が手に入ったわけですからね。読後感は穏やかでした。
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