ほのぼの淡々、だけど仄暗い





2019年10月23日
正直絵は好みではないですが、実の兄弟モノ好きなので読んでみました。絵から醸し出される雰囲気の如く、ほとんどのシーンはほのぼの淡々としてます。受け(兄)が過剰なビッチで、攻め(弟)が寡黙キャラというのも、BLではそう珍しくはないですね。でも…そんな平凡なお話の中で、唐突に訪れる衝撃がなかなかエグかった。第1話で、兄を痛めつけた酷いモブをボッコボコにする弟、それを他人事のように制止する兄の言葉に「おや?」とは思いましたが、その後読み進めて行って、おお…なかなかヘビーな設定。作品に漂う仄暗さはこれか。遊園地のシーン、本当は楽しい思い出でいっぱいになるはずだった場所なのに…。弟と来た時の兄の眼差しが哀れでなりませんでした。同居の爺ちゃんはそんなに存在感無かったけど、兄弟に対して愛しさと憐れみと諦めの気持ちだったのかな…。兄の性格上、Hシーンはいっぱいありますが、あまりエロさは感じませんでした。兄弟モノは基本的に近親故の葛藤と背徳感が肝だと思ってるんですが、それは平和な環境で自分達の家族を愛し、愛されてるからこそなのだと実感。この兄弟に関しては「もう2人が幸せになってくれればそれで良い」に尽きます。最後は2人で自己完結って感じでしたが、ハピエンで良かったです。

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