MAMA
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MAMA

売野機子

透明感

ネタバレ
2019年10月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公は、宿舎で暮らす選ばれし少年たち。彼らが目指すのは天使になること。少年をひと所に囲って担ぎ上げる人々の土着の天使信仰が、ネパールのクマリ信仰を想い起こさせました。
ミステリアスなのは、急に声が変わるのを合図に(変声期のそれでは無い)、本当に天に召されること。徐々に死にゆく様を奇跡と読んじゃう、異常な感じが良かったです。
まだ母親を必要とする歳で死と向き合う少年達がなんとも儚く、透明感のある不思議な世界観でした。
そして定期的にスポットの当たる人物が変わるので、趣向も変わり飽きがこない。
一人一人に孤独と悲しいドラマがあり、生(母)と死とを柱にした良作だと思います(途中までは)。
最終巻はバタついた感があり、展開が分かりにくかったので所々??ってなりました。
ラストも、サブキャラ達の落とし所をもっとしっかり作って欲しかったので私的には物足りない印象です。5巻までの評価で☆5。
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