母親やめてもいいですか 娘が発達障害と診断されて…
」のレビュー

母親やめてもいいですか 娘が発達障害と診断されて…

山口かこ/にしかわたく

たかちゃんあなたは愛されているよ。

ネタバレ
2019年10月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 山口かこさんを私は責められません。我が家の娘も2歳位から小学二年生までカンシャクがすごく、最初は大の字になってそこらをぐしゃぐしゃにして泣く。幼稚園児の頃になると、ちょっとした事で、泣きわめく、親を蹴飛ばす、親に噛み付く、そこら辺にあるものをなぎ倒す、自分の腕に噛み付く自傷行為。毎日がへとへとで戦場でした。療育センターにすがる思いで電話予約を取っても、娘が行きたくないと一回キャンセルすれば、数ヶ月まで待たなければいけない。こちらは1日でも早く何とかして欲しいのに。行政は当てにならないと泣きたい気持ちでした。だから山口さんの誰かにすがりたい辛い気持ち分かります。私の欲しかったのは専門家の先生の助言でした。本書の中で発達障害のある子に親が愛情を感じるようになるのは10歳位と書いてありました。大きくなって出来る事が増える頃です。子供が小さい頃、他のお母さんの様に子供を無条件に可愛いと思えなかった。でも大きくなって愛おしいと思うなんて自分はなんて身勝手な親だと杉山先生のお話を読むまでは思っていました。小2を最後に、カンシャクが止みました。小学三年の時、娘はこだわりが強く融通が利かない。と暗に先生に発達障害をほのめかされました。しかしお友達や小規模で家族的な学校や先生、育児サークルのお陰でしょうか。娘は現在高校三年生。たかちゃんの一つ上です。元気に毎日学校に通っています。勉強も遊びも一生懸命。そんな娘が愛おしいです。山口さんの素晴らしい所は、月に数回たかちゃんに会った時にたかちゃんの話に、耳を傾けている所です。人の話を聞くことは辛抱や忍耐がいります。辛い話だと尚更です。私の十代のころ、親より兄弟より、友達に相談をする事が多かった。しかし同じ経験値、同じレベルで悩んで、解決にはならないんですね。8人家族でしたが相談出来る人はいませんでした。大人の信用出来る相談相手がいるということは、たかちゃんにとってプラスになっていると思います。たかちゃんが大人になると、父母の離婚について嫌でも知る時期が来ると思います。離婚した事実の先にある、一言では言い表せなかった心の深い部分の事情が本書には書いてあります。同時にたかちゃんへの深い愛情についても。離婚の原因について子供はショックを受けるかも知れない。でもお母さんのたかちゃんへの愛情は本物だと同じ母として私は信じられます。
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