このレビューはネタバレを含みます▼
新作、凄く嬉しいです。
今回の毛色は仄暗さがメインのお話なので、八潮と三雲やパレット、小鬼や魔女からすると、かなりダークな印象。
でも、僕の棺はもろにそうですが、架空亭や花わずらい、前作の魔女にも仄暗さがかおるシーンはあるので、なんだか胸にひっかかる重さや仄暗さも草川先生の持ち味だなと思います。
ファンタジー作品でほのぼのして癒しがあって、トーンの落ち着いたコミカルさと匙加減抜群のときめきに、ほんのり胸に刺さる感動や読後感の爽やかさといったら、右に出る人いないんじゃないかなと思うくらい大好きな作家さんですが、
その反面こういう胸にジワリと広がる、実は誰でも抱えてしまいそうな、うっすらと墨汁がしみるような独特な仄暗さを表現されるのにも長けていらっしゃると思います。
今作は作品の中の一部に、その仄暗い要素がチラ見えするというのではなく、冒頭の設定からしてそこからの切り口。
わたしは少女漫画には読後感の爽やかさと、夢を見てしまえるような要素が好きで、草川先生のコミカルタッチで癒されて、ときめきがあってという、パレットや八潮と三雲、魔女の方が好きなので、今回は重めでした。
花わずらいのアマランスの辺りや、架空亭の作家が実姉に恋慕の情がありそれを投影して生み出していたというシーン辺りでも、しょんぼりしちゃったので。
でも、花わずらいも好きだし、架空亭は特に好きで、今作も面白いことには変わりありませんでした。
重めはちょっと落ち込んじゃうなと思いながらも、ついつい読み進めて、早く続話が読みたい!!と思わされてしまうのが、草川先生の作品。
仄暗いからこそ、他キャラクターとの会話の絡みの面白さが引き立ち、やはりそういう部分が魅力的だなと思うと、先生のほのぼのコミカルメインの話も読みたい!と思わされるし、でもこれも面白いし。
つまり結局どれも面白くて、今作を読み次話を待っているくせに、まだ産まれてもいない次作まで待ち望んでしまうくらい、とにかく草川先生の作品が素晴らしい。
そして、今回は初めからお互いに想い合っていて互いにそれを知らないというところからスタートなので、くぅ!という気持ちになります。笑
草川先生の描く、恋に気がつくまでの過程や芽生えてからお互いに成就するまでの焦ったい状態が、本当に大好きなので、その状態からのスタートなのは最高です。笑