このレビューはネタバレを含みます▼
「ゆるし色の髪、赤いピアス、口元にホクロ、ちょっとビッチで高校の先生と寝た、故に女友達が少ない、でも本当は寂しがりな女性・蛍」に、主人公・浅田が現実逃避する勢いで恋しちゃってるお話。これだけ高評価なので多くの人にはハマると思いますが、自分にはあまりハマらなかったかなあ。まず作中何度も出て来る「蛍」という人物像が今一つピンと来ませんでした。一応受けの二宮が男版蛍な訳ですが、それを踏まえてもぼんやりしたイメージしか湧いて来ない。少なくとも、先述の描写から女子高生は想像出来ない。(たぶん私の想像力が足りないせい)故に、浅田が蛍に異常な程ぞっこんなのも今一つ共感出来ず、なんならちょっと引き気味でした(笑)
あと、タイトルと冒頭で謎を匂わせる割に、結構序盤で先が読めちゃう展開だったのが少し残念。それでも楽しめた方が多いのだから、やはり相性でしょうね。
自分も決して悪い作品だとは思いません。本来は蛍とは真逆のタイプの二宮が、浅田に気に入られる為に別人レベルに変身してたいじらしさ。二宮の友人・大野が自分に似ていると指摘され「自分ももしかして…」と動揺する浅田。初めは蛍と二宮の共通点に喜んでた浅田が、いつの間にか二宮自身を好きになり、蛍と二宮が違う事に喜ぶようになる心境の変化。その辺りもしっかり描かれている作品だとは思います。が、攻め・受け・蛍のいずれにも、そこまで魅力を感じなかった点&展開が予想を超えなかった点で、自分の中では☆3でした。
しかし何度も言いますが、決して悪い作品ではなく相性だと思います。絵もさらさら系で綺麗なので、読んでみて損は無いかと。丸一冊表題作で全180p。