花園メリーゴーランド
」のレビュー

花園メリーゴーランド

柏木ハルコ

イライラ、ドキドキ

2009年5月3日
こんな衝撃的で情熱的な夜を過ごしたら、たった数日間の恋でも一生ものかもね。

村の複雑な背景と若さゆえ、素直になれずに大暴れする澄子が、どうしても憎めないのです。

夜這い文化と閉鎖的な村のミステリーという設定も斬新で面白かったけれど、流されるまま禁忌に触れ、どんどん大人の男になる少年相浦くんに、なかなかドキドキさせられました。

入ったきりどうしても村から出られない相浦くんの不幸も、カミュやらカフカの不条理小説を読んでいるような硬質の怖さです。


読み手によって好き嫌いは分かれるでしょうが、個人的には稀代の名作マンガに分類したいです。
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