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レビュー

今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • チ。―地球の運動について―

    魚豊

    チ。は地球の地か、知性の知か?
    ネタバレ
    2021年9月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 読むにつれ、涙があふれる‥‥。
    人という未熟な生きものの、
    もうどうしようもない美しさ。儚さ。

    今ではあたりまえの知識である、宇宙の法則、
    「地動説」をめぐる、異端の学者たちと市井の人々の物語。
    天動説が唱えられ、異端思想は焚刑であった時代に、
    真理に向かう人々の情熱を描いています。
    年齢も性別も立場も関わりなく、
    何かを愛する人は、たぶん心を打たれる作品ではないかと思います。

    激しい事件はなく、主人公も、たぶんいません。
    あるとすれば、「時代」と「知性」ではないかと思われます。

    テーマの割に、壮大なスペクタクルもありません。
    むしろ、偶然関わってしまった人たち各々の
    小さなドラマ、きっかけという体で描かれていますが、
    けれど、それは現代の私たちに繋がっている。
    この地球の真理に繋がっています。
    なので、真理を知り、守ろうとする人々の、思いが、
    まるで自分の事のように心を打ちます。

    そして、要所、要所に散りばめられた、登場人物たちの言葉が美しい。
    ハッとする言葉にいくつも出逢いました。

    渾身でお薦めします。
    科学的なものが嫌いでなければ、ぜひ読んで欲しいです。

    余談ですが、個人的にはいつか、海外で実写映画化して欲しい。
    クリストファー・ノーラン監督のような方に、ぜひ。
    それほどの名作だと思います。

    ※たった今、読み終わったので、少々興奮しました。長文失礼致しました。
  • 解体屋ゲン 危機一髪 爆破解体編

    石井さだよし/星野茂樹

    ガテン系スッキリマンガ
    2019年3月27日
    惚れます。
    ただただ惚れます。
    ゲンさんがもし現実にいたら、
    私も一緒に働きたい!

    もちろん、ゲンさん以外の登場人物もイケてますよ♪( ´▽`)

    爆破解体についても目新しくて面白いし、
    早く続きのシリーズ販売して欲しいです。
    いいね
    0件
  • 銀のヴァルキュリアス

    さちみりほ

    落とし所グッド
    2014年4月6日
    この手の異世界冒険ストーリーの、一番難しいところは
    ラストで主人公をどっちの世界に落とすか?…ということじゃないかと思うのですが、
    その点、この作品はうまく落としたなぁ、という感想です。

    最後の10話は波乱に継ぐ波乱で、いったいあと数話しかないのに、どこに話が落ちるのか心配になりましたが、さすがベテラン、大御所の作家さんですね。

    愛や友情に、見栄やら裏切りがなく終わって良かったです。

    惜しむらくは、ライナスの生い立ち(前エリュシオンとの関係)と、彼の心の傷が、いまいち説明不足なこと。

    個人的にはもっと女王とのいろいろドロドロがあった方が、彼の愛に心がついて行かれたかも。
  • 神曲 ─まんがで読破─

    バラエティ・アートワークス/ダンテ

    とても読み易いです
    2014年3月31日
    十代の頃に原作を読破しようとして、何度も挫折したのを思い出しました。
    マンガで読めるなんて、いい時代です。

    14世紀の詩人で哲学者ダンテによる宗教哲学書とでも言いましょうか、
    天国編は、さぞかし当時はセンセーショナルだったことでしょう。

    神の愛によって、この世の全てはひとつである、というお話です。とても読みやすく描かれています。

    原作を読む予定がないなら、
    古典を知るには良い作品かもしれません。
    いいね
    0件
  • 春に孵る

    国枝彩香

    好き嫌い分かれそう
    2013年12月2日
    表紙の優しい絵と無料お試し版の爽やかな魅力に惹かれて秘めた美しい恋を期待しつつパック買い。

    ……しかし、
    絵はとても素敵なのに、暗く重い展開が多く、爽やかとは程遠い印象です。
    表題作、子どもがテーマでこの展開はキツいなぁ…


    ストーリーは決して悪くないです。出来の良いサイコ小説のようで読み応えはありました。

    好き嫌いの分かれる作品集だと思います。
  • 魔王 ジュブナイルリミックス

    大須賀めぐみ/伊坂幸太郎

    原作無視でも面白い
    2013年12月1日
    井坂幸太郎原作小説の『魔王』には、ただの1ミリも出て来ない、蝉や鯨やスズメバチが活躍しまくり、
    フロイラインが暴れまくり、弟の復讐劇は絶叫マシーン並みに痛快、

    原作小説を完全に無視した展開でありながら、
    実は井坂氏本人が最も愛するキャラクターと世界観に溢れた、この漫画版『魔王』は、堂々『井坂作品』と言えるかと思います。


    主人公を敢えて少年にしてあることでテンポが良く、冒険・サスペンス要素が強くなり、作品としてもまとまっていて非常に面白かったです。

    原作版『魔王』、『グラスホッパー』、『モダンタイムズ』の世界観を、よくここまで綺麗に一作にまとめたな~と、大須賀漫画の完成度の高さに感心しました。


    個人的に『蝉』は井坂原作版より大須賀めぐみ漫画版の方が華やかで好きです。殺し屋なのにうさ耳のパーカーって…素敵すぎ。
  • 町でうわさの天狗の子

    岩本ナオ

    非日常が日常
    2013年11月24日
    よくある可愛らしい学園もの少女マンガです。

    ただ、設定が『天狗の娘』ってだけです(笑)。

    その一種独特な非日常が日常に溶け込んでいるので、動物が人になったりしてるのに、不思議に違和感なかったです。

    そして、主人公の秋姫がとっても可愛い。

    素直で、友だちは多いけど、いろいろ自信がなくて、うまく自己表現できなかったり、
    恋に悩み、友情に悩む、もうどこにでもいる等身大の女の子です。


    秋姫を守る瞬ちゃんも、無愛想だけどカッコいいし、友だちはみんないいヤツだし、
    ゆくゆくライバルやら敵もちゃんと出てくるし、
    いろいろ好感度高い作品でした。

    現在、修学旅行に出たところですが
    このへんから、一気に運命の歯車が動き出す空気になってます。目が離せません。早く続きが出ないかな?
  • 僕のやさしいお兄さん

    今市子

    今市子節てんこ盛り
    2013年11月5日
    ドタバタホームコメディBLといいますか…
    今市子さんの連載作品はどれもその傾向がありますが、
    今回も期待を外さずドタバタです。

    こんな日常でみんなアタマおかしくならないの!? と呆れながらも
    どうも先が気になってつい読んじゃうといいますか…。

    聖(さとし)と鉄平さんのウブっぷりが可愛いですけど
    ドタバタ要素が強くてすれ違いにジリジリします。

    理不尽&じらしドタバタ今市子節に笑いたいかたには絶対おすすめですよ♪

    (以上、中盤までレビュー)
    以下補足です◇◇◇◇

    最後にどんでん返しが来ました…。
    意外と深刻なラストでした。うーん…最後までドタバタで飛ばして欲しかったかな。


    参考入ってしまったので、文面変えずに補足しました。
  • アラタカンガタリ~革神語~

    渡瀬悠宇

    涙もろい人、注意
    2013年8月4日
    ひと月かけて読むつもりが気づいたら一気読みに。

    万物を統べる神の剣とその『鞘』として生きる人々の世界に迷い込んだ現代の高校生、革(あらた)の戦いの物語。

    無料お試しのアラタはめちゃめちゃチャーミングですがニードです(笑)

    ナイーブすぎるただの高校生が『問題から逃げない!』をテーマに次第に真の引率者へと成長してゆく過程がいじらしいです。

    出会う人々の心象がとても丁寧に描かれ、異世界の話なのに強く共鳴するのは、誰もが必ず悩み苦しむありふれた『人としての悩み』が常に基本にあるからでしょうか。
    読むひとは、きっと誰かの悩みとシンクロしそうです。

    ギャグがけっこうあるんですが、感動シーンもかなり直球なので、涙もろい人、ご注意ください。電車とか待合室で読むのは危険かもです。

    掛け値なしに面白いです。たとえ大河ストーリーになっても、なんだか最後まで見ててあげたいなぁ。
  • ぴんとこな

    嶋木あこ

    歌舞伎は新鮮
    2013年3月19日
    本当は歌舞伎が好きなくせに御曹司ゆえに我が身を持て余すサラブレッドの恭之助と、
    ひとりの女の子がきっかけで、縁もないのに歌舞伎役者になってしまった努力家一弥。

    相反する二人が同じ少女あやめをめぐって芸の道に恋に悩みつつ競り合う姿がなかなか王道で楽しめました。

    ただし一弥の身辺があまりに複雑で、現在18話めですが、これ以上イジメみたいなドロドロストーリーになるとキツいかな~。(^_^;)

    「歌舞伎」ってテーマが新鮮ですし、恭之助の舞台が良かったので恭之助に免じて満点で。
  • あやかし緋扇

    くまがい杏子

    お試しが全買いに
    2013年3月17日
    お試し半額で買って、そのまま全買いしました。

    最初、お試し10話の展開が早すぎて、唐突で軽い印象がありましたが、中盤から動く「戦い」へのニードかな?

    ツンデレ未来ちゃんと未来一筋の陵くんがすれ違いつつラブラブなのでなかなか照れます
    (//▽//)

    ストーリーは意外と複雑。

    なぜか霊に狙われる未来と、彼女を守る男巫女みたいな陵くんの「秘密」を追いかける形で展開しますが、話を追うごとに、登場人物の背景があらわになり、やがて巨大な敵が現れてきます。
    その都度、陵くんも未来も仲間もパワーアップしてゆきますよ♪
    現在67話、かなりハラハラする展開です。

    純情系陰陽師でお話はお勧めですが、場違いな「3頭身絵」がやたらと出てきて、個人的にイラッとしたので☆4つ。
  • 悪霊使い

    ワタナベチヒロ

    これは!★5
    2013年2月10日
    この手の『闇のセーラー美少女』は、結構昔からいるのに、翠(すい)ちゃんに魅かれるのは何故だろう?

    女性作者による、女性のためのヒロイン像だからでしょうか?

    主人公の悪霊使い翠(すい)は決して万能美少女ではなく、友だちの杏(あんず)や桜の手を取って初めて物語が前に進みます。
    そこが、一番新鮮で魅力的でした。

    翠(すい)、杏(あんず)、桜、そして悪霊姫のちょっとコミカルな(しかしかなりハードボイルドな)冒険談を楽しんでください。
  • まんがグリム童話 金瓶梅

    竹崎真実

    悪女バイブル
    2012年11月23日
    きけばこの話は有名な中国の時代小説『水滸伝』のスピンオフ小説だそうですが、
    竹崎さんの漫画で読む限り、悪女の花、藩金蓮は私たち現代の自由な女の象徴でしょう。


    しかも寧ろ、正義感にあふれ、頭も良く、男のように豪気で、なのに旦那様にメロメロの一途な可愛い女。

    およそこんな可愛いヒロイン、見たことないです。

    他に原作がある限りいつかは原作に落ちるのでしょうが、もはやこの金蓮は金蓮として、ベルサイユのばらのオスカル様のように、夢見る女性の憧れでいて欲しいです。


    レビューじゃなくなりました。良いことも悪いことも含め、広い意味で女という性を楽しめる、大人向けの作品です。
  • イジられ失神電車

    倖月さちの

    微妙にラブ
    2011年10月8日
    他の方々が書いているように、微妙な意味不明ぶり。エロがテーマですが激しい描写はなし。

    ですが、後日ゆるゆると表題作が出て分かりました。
    一話めのオチが最終話で、愛がテーマかな?

    でも、評価が低い理由は、こんな先生、最低の男だから(笑)
    他の話は、なんだかみな忘れました。興味あるなら一話と最終話で十分。
  • その唇に夜の露

    深井結己

    切なく、残酷な恋
    2011年5月14日
    若さゆえ、自分の心に気づけぬままに、恭一に乱暴した琢紀。
    年月を経て再会したふたりの関係は大きく変わり、恭一は琢紀に執拗な復讐を始めるが…

    琢紀の懐の深さが心地よかったです。

    エロよか純愛系でしょうか。復讐劇なのでそれなり激しい絡みはあるけど、ストーリーや琢紀と恭一の心理描写が繊細で、読み込んでしまいました。

    復讐劇なのに爽やかなのは、琢紀の性格のせい…?
  • 男前!ビーズ倶楽部

    最富キョウスケ

    男前な話満載♪
    2011年5月3日
    男前!ビーズ倶楽部ってタイトルからして面白すぎです。

    個人的には複雑すぎる設定のものより、このぐらいが丁度良いですが、
    この作者さん特有のいさぎよい男女てんこ盛りで、テンポ良く笑えるし胸キュンです。

    主人公イブキの男前な女ぶりも圧巻ですが、
    カラス使いの部長、かなり本物の男前ですよ
  • ビーストマスター

    最富キョウスケ

    これはツボ
    2011年5月3日
    この作者さんのキャラはみんな魅力的ですが、コレは可愛い♪

    野生児 礼央のくったくのない可愛らしさと、
    顔が怖くなるまで抱えてきた事情とのギャップに、結子じゃなくても胸がキュンキュンしますよ。


    母性本能にガツンと訴えかける礼央の甘~い純情、世話焼きタイプの恋愛好きさんは必見です

    ちなみに電撃デイジーを期待して読むと外します。あくまでも礼央と結子の純情がテーマです

  • メンズ校

    和泉かねよし

    ピュアー
    2010年9月6日
    タイトルから『ひょっとしてアダルト!?』
    と心配したけど、青春純情学園ラブでした(良かった(^_^;))

    もうなにしろ全員イケメンでちょっぴりおバカで優しくて、読んでいて爽やかな気持ちになります。
    それぞれの恋の事情が出て来ますが、
    みんなあまりにもピュアーで誠実で、なんだかちょっと泣けました。

    純愛好きな人にはおすすめです。
  • ラプンツェル~私を初めて抱いた王子~

    富沢みどり

    この結末は…
    2010年6月19日
    ハッピーエンドです。

    でも、個人的にはラプンツェルには『犠牲者』でいて欲しかったので、評価3で。

    テンポが速すぎるのかもしれませんね。
    結末まで10話ぐらいあって、ラプンツェルがもっと王子との愛に悩めば、結末にも納得できたのかもしれません。
  • 神童

    さそうあきら

    恋より強い2人の音
    2010年5月7日
    森羅万象は全て天色(あまいろ)の音につながっている。

    天才少女“うた”のピアノを誰もが決して無視できない。

    でも、そんな少女の理想の音を真にささえているのは、
    この世界の楽しさを教えてくれたワオの耳だった。

    ピアノの小さな巨匠、成瀬うたと、凡人ワオの心あたたまるお話です。

    終盤、うたを襲った悲劇にも、逃げずに常に誠実だったワオのまっすぐなハートに、強く心をうたれました。

    読み終えた直後、本屋に走って全巻買いました。うたとワオの絆、素敵すぎる。私も大切な相手に対して、こんなふうでありたいと思います。

  • 寄生獣

    岩明均

    意外に繊細です
    2010年4月7日
    新種の生物に寄生された人間が人間を襲い、食う。
    こんなグロな漫画で
    まさか泣けるとは思いませんでした。

    人食い描写はかなりグロいですが、心理的にはとても繊細な作品です。

    寄生される人間と、そうせずには生きられないパラサイト。この不条理のなかで、シンイチに寄生したミギーや、恐ろしいパラサイトたちが、だんだん豊かで人間らしく見えてくる…。

    進化の過程で最も恐ろしい生物と化したのは、群集心理に左右され、体に牙も爪も持たない私たち人類のようでもあります。

    田村レイ子の残した言葉の数々が、読み終えてなお鮮やかで、忘れられない作品になりそうです。
  • アトリ抄

    田代琢也

    花鳥(アトリ)
    2010年4月1日
    半人間半妖怪の女子高生アトリが、謎の集団NUEの要請で妖鬼退治をする美少女アクションものですが、
    他のかたも書かれているように1話完結型でストーリー運びがわかりやすく、読みやすいです。

    なにより、一見クールで風変わりに見えるアトリの性格がどこか可愛らしく、読むほどにアトリに惹かれてしまいました。

    あまり期待せず1話買いで読み始めましたが、パック買いに変更します。
    少しずつ明かされていくアトリの秘密が気になります。
    いいね
    0件
  • 赤い妹

    外薗昌也

    楽しめました
    2009年11月7日
    ホラーに『楽しめた』というのは褒め言葉じゃないかもしれませんが、怖いというより、ただただ面白かった。引き込まれました。

    おそらく、幽霊そのものよりも、それに関わった人間の心情が丁寧に描かれているせいかもしれません。

    私は一話買いで全部読みましたが、パックでも損はないと思いました。

    短編で読みやすく、予想を外す展開でテンポも良く、読みものとしても楽しめました。

    『mob【群集】』、怖いです。
  • ゾンビ屋れい子

    三家本礼

    死にまくり
    2009年9月17日
    ゾンビがテーマだから当然といえば当然ですが、
    とにかく、死にます。
    それもいちいちバラバラの鮮血飛び散る残酷スプラッタ。


    ゾンビ屋を稼業に死人を蘇えらせて話を聞き、真相をあばく特殊能力少女、
    姫園れい子の周りでは、登場人物が毎回大量に死にまくり!
    ふつう死なないキャラまでアッサリ死んでくれるので、先が読めないところも見どころでしょうか。

    10話までは独立短編の少女向きホラー風ですが、
    11話以降は、れい子が同じ能力を持つ仲間と共に、ゾンビを使って邪悪な敵とゾンビ戦争を繰り広げる長編へと流れて行きます。

    出てくるゾンビ使いと、ゾンビ戦士がいちいち個性的でストーリー展開も戦闘シーンもテンポ良く、退屈しません。

    それにしても、百合川サキはすごいキャラですね。現在中盤、もはや愛着すら感じます。
  • ヒキ

    南国ばなな

    P買いするんだった…
    2009年8月12日
    あまり怖いとやだなと思って、まず1話買いしたのが間違いでした。

    お試し1話が一気に10話に


    怖いことは怖いですが、まさかの展開にどんどん引き込まれました。
    まさに『ヒキ』。


    誰もが自分の記憶を信じ、自分の五感を現実と信じていますが、このお話は、その『当たり前のこと』を、あっさり一笑してくれます。

    失われた記憶はどこに行くのか?


    ラストまで気が抜けない新感覚ホラーです。

    迷わず最高点にしました。
  • 花園メリーゴーランド

    柏木ハルコ

    イライラ、ドキドキ
    2009年5月3日
    こんな衝撃的で情熱的な夜を過ごしたら、たった数日間の恋でも一生ものかもね。

    村の複雑な背景と若さゆえ、素直になれずに大暴れする澄子が、どうしても憎めないのです。

    夜這い文化と閉鎖的な村のミステリーという設定も斬新で面白かったけれど、流されるまま禁忌に触れ、どんどん大人の男になる少年相浦くんに、なかなかドキドキさせられました。

    入ったきりどうしても村から出られない相浦くんの不幸も、カミュやらカフカの不条理小説を読んでいるような硬質の怖さです。


    読み手によって好き嫌いは分かれるでしょうが、個人的には稀代の名作マンガに分類したいです。
  • 百鬼夜行抄

    今市子

    美しいアヤカシたち
    2009年3月28日
    ハマりにハマってます。来月になるのが楽しみです。

    律と青嵐の軽妙なやり取りも良いですが、
    毎回、あたかもそこに居るかのような存在感の化け物たちと、関わる人びととの、悲しく、また心あたたまるドラマがとても素敵です。


    お話によっては、しんみりと美しく、時に不思議な涙が出ます。

    例えるなら、日本画の美しさでしょうか。まるで時の止まったような、澄んだシリーズです。

    やっぱり律の、コミカルだけど、懐の深いキャラクターのせいかな?

    マンガ本も買おうかな…。

  • 愛・水族館柏木ハルコ傑作短編集

    柏木ハルコ

    男女の妙
    2009年3月27日
    この作者の作品は初めて読みましたが面白すぎです。ツボにハマりました。(笑)

    日常のようでそうでなく、悲しいようで面白い。

    哀愁に満ちてちょっぴり苦い笑いが絶妙です。

    酸いも甘いも噛み分けたオトナコミックという感じでしょうか?

    人生って、真剣で悲しく、そしてケッコウお笑いなのかもね。
  • デス・スウィーパー

    きたがわ翔

    おらび
    2009年3月27日
    死を正面から考えざるを得ない作品。

    どんな形で生き、どんな形で死んだ人にも、『死』そのものは平等です。けれどそこには、あらゆる人生のドラマがあり、亡くなった方々、それを見送る方々の魂の叫びがある。


    主人公は、夏場に独り、孤独な自殺をした兄の凄惨な死にざまを見て激しいショックを受けます。

    けれどなんとかして、兄の死をしっかりと受け止めたいと、自ら死体処理のアルバイトを始めます。

    腐乱した遺体の処理に泣きながら立ち向かって行く姿は涙を誘います。
    マンガだけど、主人公の傷が癒えるよう、祈らずにはいられません。


    死を真面目に考えてみたい人には断然お薦めですが、パック買いの前に、できたら2~3話のお試し買いを。

    作者の画力が素晴らしいので、遺体の描写がリアルです。


    重い作品なので、覚悟して読むことをお薦めします。
  • 猫絵十兵衛~御伽草紙~

    永尾まる

    泣きました
    2009年3月8日
    猫好きだけど、現実の猫が好きなだけで、さすがにマンガまではちょっとねぇ… と、思ってましたが、ポイント余ったし表紙絵の猫が気に入って買ってみたところ…。

    猫のいちばんいじらしいところがちゃぁんと上手に描かれているじゃありませんか。

    なんとなく日本昔話みたいでしたが、おじいさんをいたわる老猫がいじらしくて、いじらしくて、こういうの弱いもんで、もう泣きまくりでした。猫絵屋の人柄もなかなかです。

    気まぐれに一話読みましたが、全部読もうかな。
  • GO!GO!HEAVEN! 自決少女隊

    海埜ゆうこ/小原信治

    ジュリアにありがとう
    2008年12月1日
    死にたいわけじゃないけれど、全てを受け入れて生きて行かれるほど強くもなく、
    絶望しているくせに、心のどこかで自分や周囲を否定しきれない。

    そこから脱出したいと願いながら、どうも上手く行かずに堂々巡り。

    そんな、複雑でへなちょこで純で理想を捨てきれない4人の織りなす、涙と鼻水と叫びの人間模様です。

    集団自殺を目的に集まった女の子たちがバンド活動と狂った社会構造を通し、人生と死について悩みぬいて答えを出して行きますが、登場人物の性格とコメディタッチの騒動のおかげで、重いテーマの割にはさっくり読めます。

    何よりも、もう、全力疾走で後ろ向きに走りつづける彼女たちのひたむきなマイナス思考がむしろ爽やかで、読んだ後、「ダメな私」がなんだか愛しくなるようなお話でした。

    そんな気持ちにさせてくれた、ジュリアにありがとう。