クズの教育
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クズの教育

藤村まりな

思ったより明るかった

ネタバレ
2019年11月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 陽キャヤンキー×先生と体の関係を持つ孤独な優等生。まず思ったより明るいお話でした!もうちょい暗めのキチク系を想定して読み始めたのでちょい予想外でしたが、ヤンキー達が良い子で、主人公も思い込み激しい系の面白い子だったので、安心感のが大きかったです(笑)
お話は、親からギャク待され友達もおらず、先生との交わりで孤独を癒していた主人公が、ある日その現場を攻めに見られ&告白され…というもの。単なる救済モノではなく一捻りある為、読み終えた時「これ正解どっち?」となりました。
作中主人公を散々弄んだ先生が、終盤では何となく良い先生風に描かれていましたが、これ素直に受け取って良いんですかね?
主人公が「本当の先生は…(とても優しかったのに)俺がそうさせた…!」「先生は俺の為に自分から振ってくれた!」と自責の念に駆られるシーン。素直に読めば「これまでの酷い行為はある種の仮面で、本当は主人公の事を考えてくれる良い先生だったんだ…」ってなるんですが、疑いたがりの自分は「主人公のこういう思考さえも先生のマインドコントロールによるものでは無かろうか」と思ってしまいました。だから『クズの教育』なのかなと…。考え過ぎ?でも最後のシーンも主人公、攻めと幸せそうにイチャイチャしながら、モノローグではやっぱり先生の事も考えてるし…。はたまた愛は無いけど多少の情はあるからっていう先生の気まぐれ?うーんわからん!
もし作者さんが単純な救済モノにならないよう、敢えてこのような、どうともとれる描き方をしたのなら、お見事!と思いました。(考え過ぎかなあ…)
ってかギャク待問題が最後まで解決しませんでしたが、そもそも諸悪の根源はこれですよね。攻めと結ばれて孤独じゃなくなった主人公が、この先幸多い人生を歩める事を祈る…。
最後らへん、主人公と攻めの過去の出会いのエピソードがちょい弱いかなと思いましたが、先生の真意を読者に委ねる描き方(?)は面白かったし、なんだかんだで主人公が善良ヤンキーと結ばれハピエンで良かったです。
表紙からわかるようにエロたっぷりですが、テカりのトーンが褐色肌並みに濃いのと勢いが凄すぎて、あんまり色気は感じなかったかな。でも力強い線や、唾液・汗・吐息の描き方は好きでした。☆3.5な印象ですが、クーポンで買ったので☆4としました。
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